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６音黒side
「康二くん、それ……」
橙「考えたことないって言ったけど、ホンマは、
わかっててん。俺鈍すぎやった、ごめん。
あんな、北斗、聞いてくれる？」
「……うん。」
橙「おれ、北斗のこと………好きや。」
声が、出せなかった。
だって、思っていた答えと全然違ったから。
俺の、都合のいい勘違いかもしれない。
「…………康二くん、」
橙「……ん？」
「……好きっ、て、」
橙「……ん……好きや。」
「え、っと……それじゃ、」
橙「うん。」
「付き合って……くれるの？」
橙「………ん……おねがい、します。」
嘘……本当に、いいの？
たくさんの人に愛されてるこの人と、俺が？
「……本当に、俺で、いいの？」
橙「……ん、ほんまに。北斗が、ええの。」
ヤバい………嬉しい。
けど、まだ信じられなさもあって。
「康二くん、あのさ、」
橙「うん、」
「抱きしめ、たい……んだけど。」
橙「……うん。」
頷いてくれたのを確認したら、康二くんの手をとって、急ぎ足で俺の家に。
「どうぞ、入って。」
橙「うん、お邪魔します。」
ドアも鍵も閉めて。俺たち２人だけ。
そっと近づいて、抱きしめたら、
なんだろう、優しい香りがする。
こんな近くに、想い人が。
橙「……ん……北斗、ええ匂い、する。」
「っ！？」
俺の背中に手を回して、そんなこと。
やめてよ。暴走しそうになる。
…………ダメダメ、大事にしなきゃ。
でも、もうちょっとなら……
「康二くん、」
橙「なぁに？」
「………キス……しても、いい？」
橙「………ええよ。」
少し恥ずかしそうにして、下を向くあなたの顎に手を添えて、俺の方を向かせて。
「………好き、康二くん。」
ﾁｭｯ
本当に触れるだけの、キス。
橙「んふっ………ちょっと、恥ずい……」
「それは、慣れてよね。」
橙「ん、頑張る。」
「康二くん。今日、泊まっていかない？一緒に
いたい。」
橙「ん、俺も一緒がええ。」
別に何もしてないよ。
手を繋いで、一緒に寝ただけ。
橙「……ん………ほく、と……すき…」
不意打ちの寝言。
全く、反則だよ。
その言葉で、こんなにも温かいんだから。
ビンゴの真ん中。
皆の中心で、笑顔を作り出す存在。
そんなあなたの、思いの真ん中は、
これからは、俺のものかな。
fin
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作者名：ちゃい
| 作成日時：2019年11月14日 6時
