愛してるよ橙くん４ (ページ21)

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青side

涼太が、龍太くんという人に、電話をかける。

康二は、まだ俺にもたれて気を失ったままだ。

♪～♪～♪

『……もしもし？康二どしたん？』

赤「あ、あの、こんばんは。康二と部活で
　一緒の宮舘と言います。」

『ん？………ああ、どうも。何か？』

赤「あの、康二なんですけど、ちょっと過呼吸
　起こして、今気を失ってる状態なんです。」

『っ！！……何があったん！？………いや、今は
　迎えに行く方が先やな。まだ、高校？』

赤「はい、体育館にいます。」

『わかった。今からそっち行きますんで、
　悪いけど、待っとって。20分くらいで
　着くと思う。』

赤「はい、わかりました。お願いします。」

電話が切れて、

赤「今から来てくれるって。」

紫「どんな感じだった？」

赤「すごく、心配してるみたいだったよ。
　やっぱり何かあるのかも。」

康二を横にならせて、部室にあった毛布をかけて様子を見ながら、話す。

緑「翔太は、どうして康二になんかあるって
　思ったの？」

「え？」

桃「確かに。そういうの疎いのに、今回は強気
　だったよね。」

「だって顔が違いすぎるじゃん。あのときと。
　ああやって笑えるのに、何で普段はあんなに
　挙動不審なのか。なんかあるに決まってる。」

黄「まぁ、そうだけど。翔太がそれを思った
　ってのが意外だったわ。」

「なんでよ。」

紫「だって翔太基本的に人に興味ないじゃん。」

「そう？」

赤「そうだね。俺もびっくりした。」

そんなに言うほど？

まぁ今回は、なんか気になったのは認めるけど。

「あの……すんません。」

「っ、…………あ、」

龍「康二、迎えに来ました。ありがとう。」

体育館に入ってきたのは、この前、公園で康二とバスケをしていた人で。

この人が、龍太くん。

紫「いえ、あの…」

龍「ん？」

「康二、何か……あったんですか？」

龍「……なんで？」

「何で遠慮すんのって、線を引かれるの嫌だ
　って言ったら、過呼吸……」

龍「……そういうことか。まぁ、気にせんで
　ええよ。」

「っ、気になるんです！知りたい、あんなに
　綺麗に、笑えるのに…」

龍「あんなにって？」

赤「先週の土曜日、あなたと康二がバスケを
　しているのを見かけて。」

龍「ああ。あれ、見られとったんか。」

こっちを見る"龍太くん"の目に、全てを見透かされてそうだった。