愛してるよ橙くん５

＊ ページ36

道side





自分でもよくわからんけど、なんか不安になるというか、沈むときがある。

でも、理由がわからんから、相談するにも、どうやって伝えるか迷ってしまう。

うまくまとまらんけど、思ってることを話してみた。





橙「みっちー、頑張っとるね。」


「……っ、康二くん？」


橙「ちょっと、疲れとるなぁ。」





話し終わった途端に、抱きしめられた。

疲れてる？





橙「すごく頑張っとるんや。たまには、周りに
　 甘えてええねんで？甘えるのに年上も年下
　 もないよ。」


「……だって、」


橙「みっちーに甘えられたら、皆嬉しいよ。
　 ちょっと疲れたって言って、ぎゅーって
　 すればええんや。今、温かいやろ？」


「……うん。」


橙「それでもダメなら、ゆっくり時間をかけて
　 考えればええねん。」





なんでかな。

ただ抱きしめられてるだけなのに、心が軽くなった気がした。

なんで、この人はこんなに温かいんだろう。




康二くんを抱きしめ返して、





「……康二くん、」


橙「ん？」


「今日は、俺が康二くんと一緒に寝ます。」


橙「ふふっ、ええよ。」





ポンポンされる背中も、返される言葉も、全部温かい。

本当に、大きな人だ。大好き。





橙「ちょっと元気になった？」


「……まだです、もうちょっと。」


橙「んはっ、はいはい。」





それから、けっこうくっつかせてもらって。

他のメンバーからのブーイングを無視して、康二くんのベッドで一緒に寝た。

明日が終われば、また康二くんとはちょっと離れなきゃだけど。


なんかもう、大丈夫な気がした。


だって、康二くんは俺が知ってる温かい康二くんのままだったから。




俺も、もっと大きくならなきゃ。

でも、たまには今回みたいに甘やかしてもらおう。




fin

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