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しばらくじっと天井を見上げていたが
ふと気配を感じ、目を横にやると
私を見下ろす祖母の姿
父方の祖母を見たのはおそらく三度目だった
彼女は何を言うでもなく
ただ私に冷たい視線を送り続けている
そこから目を逸らそうとしても
蛇に睨まれたように動けなくなった
バンッと扉が開かれると
そこには叔母さんがいた
父の姉だ
あちらの家族で唯一私たちに優しくしてくれていた人物
私はその人を見つけるなり
安堵して息を吐き出した
けれど、その瞳には憎しみと恨みが込められていて
気付いた時には叔母は私に覆いかぶさり
胸倉をつかむように無理やり上体を起こされた
骨折をした部分が痛み
傷は裂かれたように痛みを増した
「なんでお前が生きてるんだ！！」
そう叫ぶ叔母の瞳は
私を捉えていなかった
すぐに駆けつけた看護師さんによって
叔母は私から引き剥がされたが
体の痛みも
心の痛みも
まだ掴まれているようにジクジクと痛んでいた
私は一瞬
何が起きたか理解ができなかった
あんなに優しかった叔母は
私に敵意を剥き出しにしているし
祖母からも「あんたも死ねばよかったのにね」と言われる始末
もう味方はいない
この時に全てを悟った
2、3日経って、やっと自力で起き上がれるようになった私は
霊安室へ通された
足も腕も骨折していたため
車椅子移動だったが
身内は誰もそれを押してはくれなかった
看護師さんに連れられ霊安室の扉が開かれれば
そこには白い布を顔にかけた両親が横たわっていた
遺体の損傷が激しく
顔を姿も捉えることはできなかったけれど
それは確実に自分の父と母だと言うことは瞬時に理解した
立ち上がり、一方近づこうとした時
「近づくな！！」
背後から聞こえてきた声に振り返れば
叔母が扉の前に立っていた
「この疫病神！！
あんたがいなければ！！
お前のせいだ！なんでお前だけ生きてんだよ！！」
そう言って私の胸倉をつかむ叔母を
必死にその娘が抑えていた
それでも弱まらない力は
私の首を絞めるように強くなっていく
やっと離された時には
呼吸も乱れ頭はクラクラしていた
この時やっと気付いたんだ
"死"というものは
人を狂わせてしまうと
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ちょぽん(プロフ) - 作品夢中になって読んでしまいました。すごくドキドキして、本当に面白かったです。 (2018年11月7日 17時) (
レス) id: 15a580132a (このIDを非表示/違反報告)
しょあ(プロフ) - はじめまして。とても素敵なお話で感動しました！ (2018年11月1日 2時) (レス) id: a32bcb43cc (このIDを非表示/違反報告)
ゆうか(プロフ) - はじめまして！長編完結まで一気読みしてしまいました。島の風景がはっきり想像できるような情景描写や、主人公達の細やかな心理描写に胸が打たれました。AnotherStory楽しみにしています！！ (2018年10月27日 19時) (レス) id: ed4a5c8a01 (このIDを非表示/違反報告)
yuu(プロフ) - 長くなりましたが、こんなにも素晴らしい作品を読むことが出来て、公開して頂けて嬉しいです！長文失礼致しました。 (2018年10月27日 7時) (レス) id: 1250a32edd (このIDを非表示/違反報告)
yuu(プロフ) - 是非とも実写で見たいと思う思わせてくれる作品だと思いました。クリアに想像できる風景。こちらがお話に引きずり込まれるような描写。本当に言葉が出てこないほど素敵な作品です。言葉にするのが難しいですが、今までサイトや本を読んだ中で一番の作品です。 (2018年10月27日 7時) (レス) id: 1250a32edd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：民 | 作成日時：2018年10月24日 17時
