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居間に入ると、あっくんと淳太くん以外の5人が集まっていた


「A!」

そういって駆け寄ってくるのんちゃんは
私を必死に抱きしめ
肩を揺らす


「泣き虫」

そう言っても何も反論してこない彼は
よほど余裕がないみたいだ

流星に引き剥がされ、やっと解放された私は

改めてみんなを見渡す


「心配かけて、ごめんなさい」

そう言って頭を下げると
みんなが大きく息を吐いた


「ほんまやで!
もうあんな危険なことしたらあかんからな!」

そういうともくんは、私の頭を軽く小突いた後、優しく笑いかけてくれた

濱ちゃんもさっきまでの不安そうな顔に笑顔を浮かべ
「無事で良かったわ」
と言ってくれた

流星に目を向ける
彼はまだ怒っているようだ


「流星…」

「アホ、お前何してんねん
何かあってからじゃ遅いんやぞ
気持ちはわかる、引き止められなかった俺らも悪い
せやけど、もう二度とこんなことすんな」

強い口調で告げられた彼の言葉は
優しさが込められていて
それに謝罪を述べた後
「ありがとう」
と言って
彼に抱きついた

それを優しく受け止めれば
大きな手で頭を撫でてくれる


みんなを悲しませないためにも
しっかり考えてから行動しようと
決意した瞬間だった


しばらくみんなの会話に耳を傾けながら
ただじっとそこに座っていると

廊下にある電話が鳴り響いた

自室にいた祖母がそれを取ってくれる
すると、居間の扉から顔を出し
私を手招きで呼んだ

祖母から受話器を受け取り
受話器を耳に当てると


「あ、A!」

と、あっくんの大きな声が響いてきた

良かった、彼は無事だったのだ


「あっくん…」

泣きそうになる声を抑え
必死に彼の声を聞く


「ごめんな、心配かけて
ばあちゃんから今聞いたわ
途中で風強なったから
本州まで行って避難したんよ
なんともない、みんな無事やから
それだけ伝えよう思てな」

彼は私を安心させるように優しくそう伝えてくれた
やはり彼らには彼らなりの対策があったんだ

とにかく、あっくんに何事もなかったことがわかり、安心した


「公衆電話やからあんま長く話されへんねん
みんなにも伝えといてな
明日嵐がやめば帰るから」

そう行って電話は切れた
ツーツーという機械音で受話器を置くと

居間からみんなが顔を出していることに気がついた


「あっくん、無事だって」

そう告げると、みんな安心したように息を吐き出す


私を不安にさせないために笑っていてくれた彼らは、私以上に不安で仕方なかったんだ

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設定タグ:ジャニーズWEST , 重岡大毅 , 小瀧望   
作品ジャンル:恋愛
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ちょぽん(プロフ) - 作品夢中になって読んでしまいました。すごくドキドキして、本当に面白かったです。 (2018年11月7日 17時) (レス) id: 15a580132a (このIDを非表示/違反報告)
しょあ(プロフ) - はじめまして。とても素敵なお話で感動しました! (2018年11月1日 2時) (レス) id: a32bcb43cc (このIDを非表示/違反報告)
ゆうか(プロフ) - はじめまして!長編完結まで一気読みしてしまいました。島の風景がはっきり想像できるような情景描写や、主人公達の細やかな心理描写に胸が打たれました。AnotherStory楽しみにしています!! (2018年10月27日 19時) (レス) id: ed4a5c8a01 (このIDを非表示/違反報告)
yuu(プロフ) - 長くなりましたが、こんなにも素晴らしい作品を読むことが出来て、公開して頂けて嬉しいです!長文失礼致しました。 (2018年10月27日 7時) (レス) id: 1250a32edd (このIDを非表示/違反報告)
yuu(プロフ) - 是非とも実写で見たいと思う思わせてくれる作品だと思いました。クリアに想像できる風景。こちらがお話に引きずり込まれるような描写。本当に言葉が出てこないほど素敵な作品です。言葉にするのが難しいですが、今までサイトや本を読んだ中で一番の作品です。 (2018年10月27日 7時) (レス) id: 1250a32edd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2018年10月24日 17時

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