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2人とも落ち着いた頃に
私は疑問に思っていたことを彼に問いかけた
「しげ、なんでいるの?」
「おったら悪いんか」
そんなことは一切言っていないのだがなぜか怒ってるのでとりあえず謝っておいた
「嵐で休校になったんよ」
そういうことか
本来ならまだ学校にいるはずの彼がここにいる理由など
一つくらいしかなかったからなんとなくは分かってはいたけど
「学校出て帰ってる途中、流星と神ちゃんの声が聞こえてな
2人が走って行った先見たらAがおったから追いかけた」
やはり、港で私を引き止めたのは彼だった
まだ明確にわかっていなかった正体をやっと知れた
あの時、きてくれたのがしげで良かった
きっとしげじゃなければ私はそのまま海に飲まれていたかもしれない
いくら無我夢中だったとしても
思い返してみればあまりにも危険な行動に
もししげが来なかったら、と想像すると
ゾッとしてしまう
「照史、たぶん大丈夫やから」
まだ私の背に回る手を
彼はまたゆっくりと動かした
安心させようとしてくれているのだ
そんな彼の背中に私も腕を回せば
先程よりも距離が近くなる
ドキドキと高鳴る胸は
彼への感情を大きくしていった
彼がどういう想いでここにいてくれているのかは分からない
友人としてなのか
はたまた仕方なくなのか
今はそんなことどうでもいい
目の前にある彼の温もりを
離さないように必死に抱き寄せる
お互い何も喋らなくなった静かな部屋には
2人の吐息と鼓動だけが響く
「そろそろ、下行くか
みんな心配しとるし」
そう言って私から腕を話した彼は
そそくさと部屋を出ていってしまった
急に寂しくなった腕は行き場をなくしてしまう
一階から私を呼ぶともくんの声が聞こえたので
私も下に降りることにした
痛む右脚は、また港での光景を鮮明に思い出させる
ゆっくりと歩を進め
一階へ降りて行った
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ちょぽん(プロフ) - 作品夢中になって読んでしまいました。すごくドキドキして、本当に面白かったです。 (2018年11月7日 17時) (レス) id: 15a580132a (このIDを非表示/違反報告)
しょあ(プロフ) - はじめまして。とても素敵なお話で感動しました! (2018年11月1日 2時) (レス) id: a32bcb43cc (このIDを非表示/違反報告)
ゆうか(プロフ) - はじめまして!長編完結まで一気読みしてしまいました。島の風景がはっきり想像できるような情景描写や、主人公達の細やかな心理描写に胸が打たれました。AnotherStory楽しみにしています!! (2018年10月27日 19時) (レス) id: ed4a5c8a01 (このIDを非表示/違反報告)
yuu(プロフ) - 長くなりましたが、こんなにも素晴らしい作品を読むことが出来て、公開して頂けて嬉しいです!長文失礼致しました。 (2018年10月27日 7時) (レス) id: 1250a32edd (このIDを非表示/違反報告)
yuu(プロフ) - 是非とも実写で見たいと思う思わせてくれる作品だと思いました。クリアに想像できる風景。こちらがお話に引きずり込まれるような描写。本当に言葉が出てこないほど素敵な作品です。言葉にするのが難しいですが、今までサイトや本を読んだ中で一番の作品です。 (2018年10月27日 7時) (レス) id: 1250a32edd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:民 | 作成日時:2018年10月24日 17時