内緒のキス、秘密の関係。～Kazunari.N～ (ページ20)

今日:4 hit、昨日:2 hit、合計:388,115 hit

進路指導室。ページ20

・

「な、にここ」

・

文化祭で使ったものや、古い進路の本

そんなものが溢れていると思っていた部屋は

綺麗に整頓されて、ソファーまで置いてある

・

「俺の秘密基地」

「….は？」

「いや教頭にさ、数学科の先生たちとは

気が合わなそうでやってけないって話したらさ

塾の講師だった経験を生かして、進路指導しろってさー」

・

俺期待されてるーって、棒読み。

・

「….、」

「ここで進路指導するの、予約制でね？」

・

黒いソファーに座るように促されて

そこに恐る恐る腰を下ろす。

・

目の前に机、その向こうに同じソファー

それの向こうに、二宮先生用の机

両サイドは本棚

・

「コーヒー飲む？」

「砂糖とミルク」

「カフェオレじゃねーか(笑)」

・

贅沢なヤツだ、子供だって散々言いながら

自分のコーヒーとあたしのカフェオレを作ってくれた。

・

「….ありがとう」

「素直だね」

「……」

「(笑)」

・

ペース取られたら、終わりだ。

・

「煙草吸いたくなるって

嫌なことあったの」

・

ブラックのまま、コーヒーを流す先生が

ちょっとだけ眩しく見えた。

・

「...下の名前、なんだっけ？」

・

だけどそんなこと、悟らせてあげない。

・