映画パロ (ページ7)

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「ニカの事が好きなんだよね？」
「･･･っ！」
「健永が男の人好きだからって俺は引かないよ。まず引く人はね、それに理解出来てないんだよ。何で、分かってもらえないんだろうね」
まるで自分の事のように話続ける。もしかして俺を守ろうとしてる？俺がゲイだから？
「気持ち悪くないんですか？ゲイなんですよ、俺」
「ゲイだろうがそんなの気にしない。気にしてたらこうやって話してないよ。あいつらみたいに話してたかもよ」
下を向いてた泣き顔を上げさせられ藤ヶ谷さんを見つめる。
「安心して。俺は健永の理解者だから」
「何でそこまで俺を庇おうとするんですか？」
「それはね、部長が言ってたの」
「北山部長が･･･？」
「そう」
藤ヶ谷さんは俺の行動を時々確認しては北山部長に報告してた。どうやらここに移動する時に北山部長に言われたそうでそれはどうして周りに漏れては駄目。と忠告されたという。そこまで俺の守ろうとしてたんだ。止まっていた涙がまだ溢れてそれを子供のように落ち着かせてくれる藤ヶ谷さん。でも涙が止まらず相当傷ついたんだな、て自分でも分かっていた。
「あ、もしもし。ニカ？」
え、いつの間に？相手はニカなの？藤ヶ谷さんが目の前で通話し始めた。
「ニカ、迎えにおいで。大切な人が待ってるよ」
そう言って通話を切り微笑んだ。その顔･･･もしかして･･･。
「藤ヶ谷さん、今のって･･･」
「もうすぐ来るよ」
言った同時にドアが開いた。そこには走って来ただろうか息切れしスーツは乱れた状態でニカが立っていた。
「千賀！」
直ぐ様駆け寄り俺の前に立っては「ごめん」と謝ってきた。
「なんで謝るの？」
「苦しんでいる時にいなくて･･･」
「それは、いいんだって」
黙り込んでしまう俺達に、藤ヶ谷さんがニカの方を優しく叩き、「守ってあげて」と言い残し会議室から出た。
「千賀･･･」
名前を呼ばれ、ふいに香るニカの香り。あ、抱きしめられてるんだ。
「千賀、好きだよ」
「好きなんて簡単に言わないで。そんなの冗談でしょ？」
「冗談でいう訳無いだろう」
「だってニカには彼女がいるでしょ？」
「別れた」
「え･･･」
「彼女から別れを告げられたんだ。好きな人がいるなら言えばよかったのに、て」
「俺のせいだよね･･･」