映画パロ (ページ5)

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「疲れたって･･･まだ出勤して説教されただけなのに」
「二日酔いは辛い」
ニカに聞こえない小声で、飲みすぎ。と呟き再び仕事モードに入る。だけどニカを見ると思い出すあのキス。ドキドキする心臓を抑えようとしても鼓動が高鳴って集中出来ない。ガタッと立ち上がり、「千賀？」と呼ぶニカの声がしたが俺はその場を出た。給湯室に行き深呼吸をして水を一口。溜息を吐いて気持ちを落ち着かせて戻った時、ニカが傍に来てくれた。
「千賀、大丈夫か？」
「な、何が？」
「顔色悪かったけど･･･」
「大丈夫だって」
「千賀、体調悪いのか？早退してもいいんだぞ」
ニカも北山部長にも心配されて早退という答えを選ぼうとしたけどまだ仕事途中だし体調悪いと言えば悪くないし。
「大丈夫です」
そう言った途端、膝から崩れ床に座り込んでしまった。
「大丈夫か？！」
北山部長が言った途端、ニカに身体を支えて貰った。
「二階堂、千賀を送ってやれ」
「分かりました」
「でも、ニカも俺も仕事途中だから･･･」
「いいから帰る支度する」
俺は早退をしニカは休憩という形になりニカに支えながら自宅に辿り着いた。
「ごめんね。ニカに迷惑かけちゃって･･･」
「気にするなって」
ベッドに寝かせて貰って頭を優しく撫でられた。子供じゃないのに何か落ち着く。
「もう大丈夫だから」
「無理すんなよ。じゃ、俺戻るわ」
「ごめんね」
そう言うと、優しく微笑み部屋から出て行った。こんな優しさがあっただろうか。今までにない優しさ。ニカに好意を抱き始めた。でもニカには彼女がいる。身代わりでもいいから、触れて欲しい。

次の日出勤して昨日溜めていた仕事をしてる中、ニカから「家に来ないか？」と誘われた。そうか、ニカは明日から一週間出張に出るんだ。逢えないなんて･･･。目の前にいるニカがいないなんて、辛い。だけど想いを告げたらニカに嫌われてしまう。今までそうだったから。それで酷い目にあってきたんだから。二人して同じ時間に退社してニカの家に行って風呂を済ました後、行為をした。あの時とは違う。でも何か悲しくなってきて後処理の時、俺はタオルケットに顔を埋め泣き出してしまった。