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「どう思う?めんどくさいよな、これ」
「それ言っちゃアウトじゃない?」
「最近こんなんだから別れようとしてるんだけど彼女が必死でさ」
「ニカはさ、結婚するの?その彼女さんと」
「何、どうした急に」
「別に。何でもない」
「お前、こういう時だけ食いつくんだな」
「だから、別に・・・」
「つか普段から俺としか喋ってないけど俺以外の奴と喋ってる?」
「え・・・」
「見たことないんだけど」
ビールを飲み終えテーブルに置き俺を見る。じっと見つめられると直ぐ視線を逸らしてしまう。そんなマジマジ見られると・・・無理。見れない。
「で、どうなの?」
「喋って・・・ない」
「ほらな。喋るの苦手だそうし直ぐ目逸らすもんな」
ズバズバ言ってくるもんだから言葉すら出てこない。そんな俺の様子に、にやり。と口角上がったのが見えた。
「俺とだと喋るのは何で?」
「何で・・・て言われても。・・・っ!」
急に唇に温かい感触。ニカの顔が目の前で・・・。キスをされてしまった。
「何すんの?!」
直ぐニカから離れ唇を手で抑え目で訴えるが通用しない。寧ろ微笑んでる。
「キス」
「それぐらい分かるわ!」
「見てたらキスしたくなった」
「はぁ?よくわかんないだけど、酔ってる?」
「全く」
注文した食べ物が来てニカは追加でビールを頼んでほぼ平らげているのに俺の突然のキスに現実なのか夢なのか疑い喉に食べ物が通らくて飲み物ぐらいしか通らなかった。ニカ、なんでキスしたの?なぜ?
「じゃ、出るか」
「あ、うん・・・」
伝票持って個室を出ていくニカの後をついてく。お支払いを済ませ店を出て街灯がない細い道に入って少し歩いた所でニカが立ち止まる。
「ニカ?」
腕を引き寄せられ胸の中にすっぽり埋まった。急な出来事で頭が混乱してる。
「千賀・・・」
もう一度唇を触れられる。さっきより抵抗はしなかったけど頭は変わらず混乱したまま。
「ニカ、酔ってるの?」
「だから酔ってない」
「じゃ、何でキスなんか・・・」
再び塞がれた唇。煙草・・・酒・・・。その匂いに耐え切れず息苦しくなって口を開けた途端、舌が入ってきた。逃げようとする舌は絡め取られ逃げ場を失う。

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作者名:みん | 作成日時:2024年3月6日 23時

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