どうしても触れたくない【ニカ千】 ページ1
パソコンのキーボードが打つ音が響く社内。椅子の動く音に手が止まる。視線を横に向けると北山部長が立ち上がり机の上に積み重なった書類を持ち上げニカのデスクへと置く。
「俺帰るからあとは宜しく」
「ちょっと、部長!何ですか、これ!?俺、やりましたよ!?」
「ん?こないだ遅刻して、何でもやります。て言ったの誰だっけ?」
「げっ・・・」
「それにお前これ途中放棄したやつだぞ。終わるまで帰るなよ」
「じゃ、宜しく」
そう言って北山部長が帰って行くと二階堂は苛立ちをし愚痴を溢し始める。
「ふざけんなよ、マジで」
「ニカが悪いんだよ」
「くそ・・・北山、恨んでやる」
「はいはい。ほら終わりにしないと帰れないよ」
ニカと俺は向かい合わせになっていてそれぞれデスクに向かいパソコンを打ち始める。俺はあともう少しで企画書を提出出来る。だけど他の社員と比べればかなり遅い。締切には間に合わせてるけど、あいつ遅い。思われてる。イライラさせてしまう。早く終わらせないと・・・て思ってる中、いきなり空気が煙たくなり咽る。前を見ると片手に煙草を持って吸いながら片手でキーボードを打っていた。
「ちょっと、煙草吸うのやめてよ」
「うるせー。吸わせろ」
「やだ」
「吸わないと捗らない」
「それで捗るの?」
「捗る。お前は吸わないから分かんないもんね」
「うるさい。つかここ禁煙」
「それは部長がいる時だけは吸わないの」
「そう思っているのはニカだけですー」
そう言っても吸う手は止めることもなく俺は溜息をし席を立った。換気扇のスイッチを押し空気を入れ替える。
「そんなに煙草駄目?」
「無理。早く終わらしてこの場所から出たい」
席に戻り下記途中の企画書を進めた。数分経った頃ようやく企画書を終わらせた。
「終わったー。じゃ、帰るね」
「あ、マジ?ちょっと手伝ってくんね?」
「なんでよー。自分のものでしょ?自分でやれよー」
「そんなこと言うなって。飯奢ってやるから」
「えー」
そんなこと言いつつ企画書を手伝ってあげる事にした。ニカの隣に自分のチェアを持っていき隣に座り資料を持ちながらニカに教えてあげてニカがキーボードを打つ。イライラしながら煙草吸うニカに俺もイライラしながら企画書を進め約一時間が経った頃、二人して、終わったー!と手を天井へと伸ばし披露を飛ばす。
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作者名:みん | 作成日時:2024年3月6日 23時