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「俊くん、産まれたよ」
「お疲れ様!どう?元気に産まれた?」
「うーん。産声はあったけど体重が少なくて保育器に入っちゃった」
「そっか・・・」
「でも大丈夫。時間はかかるけど近々帰るね」
「陽と待ってるね」
「お願いね」
通話を切り部屋に戻ると身体中の力が抜けベッドへと倒れ込んだ。その日は何もなく眠りについた。
それから授乳とミルクの毎日。いつになったら帰られるんだろう。未熟児でもあるから凄く心配。でも産まれた時よりは大きくなってる。よかった。我が子を見つめると産科の医師がやって来た。
「宮田さん」
「はい」
「明日辺り退院しても大丈夫ですよ」
「本当ですか?!」
「ええ。それまでは赤ちゃんを育ててくださいね」
「はい」
医師が出て行って俺も出る。徐々におっきくなってくれてありがとう。俊哉も陽も明るく迎えてくれるかな。
次の日、俊哉と陽が迎えに来てくれた。その時にこの子の名前を付けられた。
「産まれて来てくれてありがとう。朝陽」
「朝陽・・・。いい名前だね」
「あしゃひ?」
「そうだよ。ひーちゃんの妹だよ」
「うん!ひー、おねえちゃんになったんだよ。わーい!」
陽が喜んでいる姿に俺も俊哉も微笑む。幸せな家族です。
-二年半後-
「あさひ、パパとママにプレゼントわたそ!」
「うん。ひな、それなの?」
「え、ちがうの?」
「あしゃひ、これにしゅる!パパのだいすきなくましゃん」
「くまさん。おきがえしてる!かわいい!」
「うん!ひなはママにプレゼントしゅる?」
「そう!ひー、ママににはうさぎさんかな。くまさんとうさぎさん。いいペアだね」
「え?う、ん?」
「あさひにはまだわからないね。このこたちはパパとママみたいでしょ?かわいいしなかよしだから」
「わかった!」
「あさひ、パパとママにわたしにいこう!」
「うん!」
二人からの贈り物。嬉しかったよ。ありがとう。
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作者名:みん | 作成日時:2024年2月1日 14時