ちいさな奇跡【宮玉】 ページ34
【男性妊娠】
【長女：陽-ひなた- 次女：朝陽-あさひ-】
午後一番に産科に行き医師にこう言われた。早産の為、入院が必要。陽の時は自然分娩だったのにこの子の場合は早く産まれたいと思っているのかな。もしくは未熟児で産まれてきちゃうのかな、て心配性になり産まれて来ない方がいいのかな、とか最悪な事が脳内に駆け巡った。でもせっかくの授かりだもの。産まなきゃ。何があってもこの子を守らなきゃいけない。病院から出ると不安そうな表情を浮かべてる陽。
「どうしたの？」
「ママ･･･」
「陽、何か言って？」
「あかちゃん、ぶじうまれてくるのかな･･･」
「え･･･」
「げんきにうまれてくるといいね」
「そ、そうだね」
この子を授かってから不安に駆られる毎日。一人でいる時にしか出さないんだけど陽には気付かれていたのかな。俺は右手を陽の手を握り左手はぽっこりしたお腹に添えた。時々、陽が「だいじょうぶ？」て聞いてくれる。なんて優しい子なんだ。陽に、大丈夫だよ。て伝えると「ほんと？ママ、だいじょうぶ？」と心配してくれる。立派なお姉ちゃんだね。帰宅すると俺は陽を目の前に座れせ、大事な話をした。
「陽。ママ、明日から病院にお泊りしなきゃいけないから、暫く、パパと一緒に過ごしてね」
「ん？ママ、あかちゃんうむから？」
「そうだよ。陽、お姉ちゃんになるんだよ」
「うん！ひー、たのしみにしてる」
陽が玩具で遊びし始めた頃、旦那の俊哉が帰宅。俊哉には先程伝えていた。まだ臨月にもなってないのに腹痛がし始めたりいつ産まれて来てもおかしくないのに不安でいっぱいだ。俊哉は「毎日面会するよ」て言ってくれたけど、このご時世だから逢えないよ、て言ったら寂しそうな表情をしていた。陽も「ママにあえないの？」なんて言ってた。そんな俊哉と陽を見ながら明日の準備。せっせとしてると玩具で遊んでいた陽が後ろから抱きついてきた。きっと寂しんだろうな。
「陽、ママがいなくて寂しい？」
「うん･･･」
「赤ちゃん産んだら帰ってくるからね」
「すぐ？
「うーん、時間かかっちゃうな。それまでパパの言うこと聞いてね」
「わかった」
「ひーちゃん、いい子だから心配ないよね？」
「うん！」
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作者名：みん | 作成日時：2024年2月1日 14時
