番外編 ページ4
【長女:美思-みこと- 長男:陽翔-はると-】
今宵はクリスマス。部屋をクリスマス仕様に飾って子供達にサンタの衣装を着させクリスマスソングも流して歌って踊った後、クリスマスパーティーをしチキンを多めにしたご馳走に4号サイズのアイスケーキを食べパーティーが終わると美思は直ぐ高嗣に「おふろはいろ」と言い出し一緒に向かってしまった。あれ?陽翔は・・・。いた。いつもなら一緒に行くはずなのにリビングの横に置いてある少し大きめなクリスマスツリーの前で座って点灯している電飾に輝くそれを眺めている様子。
「陽翔、お風呂は?パパ達と入らないの?」
「うん」
「何で?」
「きょうはママとはいりたいの」
「ママと二人で?」
「だめ?」
「駄目なんて言わないよ?でもどうして急に」
「いいの!ママとがいいの」
その様子から何か察しした。入浴以外はほぼ健永の傍には美思がいる。陽翔はそこで無理に健永のとこに入れば美思が何か言うはず。年上の特権だから、と思ったのか陽翔は何も言えず我慢していた分、とうとう限界だったんだよね。気付かなくてごめんね。
「陽翔は我慢強いね」
寂しい思いさせてごめんね。と陽翔を優しく抱き締める。思わず目頭が熱くなり、それに気付いたのか「ママ、だいじょうぶ?」と声をかけてくれた。
「大丈夫だよ。いつも美思がママの事、独り占めしてるからだよね?ごめんね、陽翔。寂しかったよね?」
「ぼくはだいじょうぶだよ」
「陽翔はずっとママとの時間が欲しかったんだよね?」
そう言うとずっと我慢していたのものが溢れ、陽翔が泣き出してしまった。それにもらい泣きして二人して泣いて抱き締め合ってこの時間を大切にしようと誓った。
「今からママと陽翔の二人のだけの時間過ごそうね」
「うん!ママ、ありがとう」
浴室から高嗣の声と美思の賑やかな声がリビングまで聞こえる。二人が出てくるの待ちながら陽翔は再びクリスマスツリーを見つめた。
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作者名:みん | 作成日時:2024年2月1日 14時