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"せーんがー"


返信すると、"たた呼んだだけ"との返信。たったこれだけ?名前を呼ぶなら直接言えばいいのに・・・。何でラインするのかな?少し苛立って"何ですか?"と冷めた返信すると直ぐ既読になり"今、千賀の家の近くにいる"という返信に、"嘘だ。"なんて言いながら辺りを見渡すと背後から声がして振り返るとニカが立っていた。
「何でここにいるの・・・?」
「ん、返事が聞きたくて来た」
「明日、言おうとしてたんだけど」
「待てない」
「え、あ・・・っ!もう、何なの・・・」
ご主人の帰りを待てない犬のように俺に抱きつく。また高まる胸の鼓動。自分でも分かるぐらい顔が紅潮している。
「顔を赤くして恥ずかしくなって返事が出来ない千賀さん。可愛い」
「ねぇ、何なの?やっぱりニカ、おかしいよ」
頭がふわふわする。熱とかじゃない。多分恋煩いてやつ。初めてだ。こんな感情するの。
「好きだから言うんだけど分からないの?」
ニカの言葉に理解が出来ず考え込むと唇に触れるキスをされ軽く額に、ぺちっ。と指で叩かれた。
「痛いよ・・・」
「嘘ついた罰」
叩かれた額を手で擦っているといつもより甘い声で名前を呼ばれ、返事をすると「好きだよ」と言われた。
「夢じゃないよね?」
「じゃ、現実だと知らせてやるよ」
さっきより長くキスをされたが唇が離れるとニカが渋い表情を浮かべていた。
「甘っ・・・」
「さっきチョコ食べてたから」
もしかして唇に付いてた?指で唇をなぞり確認してるとその手を止められた。
「返事は・・・?」
「えっと・・・」
返事に戸惑っていると「聞かせて」と言う。そんな甘い声で言われたら、言えないはずがない。

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作者名:みん | 作成日時:2024年2月1日 14時

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