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「あ・・・」
さっき会ったばかりなのに逢いたくなる。こんなにも帰り道が寂しくなるなんて・・・付き合ってもないのにこんな気持ちになるのおかしい。重い溜息を吐き気持ちを切り替える。ホームに向かいエスカレーターに乗るとちょうど電車が来ていてそこに乗り込んだ。扉の前に立つと目の前にある広告に目が入る。このデザイン。可愛い。ペアリングなんだ。内側に誕生石とイニシャルも刻印出来るんだ。これ、ニカと・・・。咄嗟に浮かんだのはニカとペアリングを付けて手を繋ぎたい。なんてそんなの女々しい。まず男同士なんて気持ち悪いだろう。ニカは普段アクセサリーは付けないし断られるのが想像つく。溜息をし広告から視線を外した。何も考えず下を向いてると最寄りの駅にたどり着いた。駅を降りロータリーに止まっていたタクシーを拾い家に帰った。タクシーの中で窓の外を眺めながら鞄に入れていたチョコを取り出して口に入れた。小腹が空いた時に。と思って入れたままだった。昨日までは糖分取らないようにしてたのに今日は駄目だ。甘いものが欲しくなって自然と手が伸びてしまった。口の中に広がる甘い味。その味に堪能しながらネオンの光で輝いていた街が離れて暗い街に変わっていくのが見えた。そんな中、さっきの出来事を思い出してしまう。ニカとキスしたんだよな・・・。思わず口元が緩んで照れ笑いしてしまう。咄嗟に口を抑え下を向いて首を横に振る。運転手の声で我に返り支払いしタクシーから降りる。家にの中に入ろうとした時、ポケットに入れていたスマホが振動。手を伸ばしスマホを取り出す。ニカからラインだった。

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作者名:みん | 作成日時:2024年2月1日 14時

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