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「俺、トイレ行ってくる!」
いきなり立ち上がった俺に吃驚して「ちょっと!」て言われたけどその場に居られなくなって楽屋を出た。廊下を走ってトイレに駆け込む。手洗い場に手を置き乱れた息を整える。顔を上げると顔が真っ赤。手を頬に添えると熱く未だに治まりきれないいない高まる胸の鼓動。胸に手を当て目を閉じてみる。ニカの笑った顔が浮かびそれと同時に更に鼓動が鳴り始める。え、これって・・・。目を開け顔を見つめた。そして指で頬を掴み抓ってみる。痛みがして現実だと知らされる。俺、恋してるんだ。
「にかぁ・・・」
思わず零れてしまう涙。君の名前を呟く度、顔が熱くなってしまう。今まで恋なんてした事なかったし男を好きになるなんて初めてだから自分がどうにかなりそうなくらい慌ててる。戻らないとメンバーに心配されそう。頬を両手で挟み軽く叩いて戻ろうとした時、目の前にいた人物に驚いた。
「ニカ!?何で・・・」
「心配して来た」
「戻るの遅いからだよね。ごめん・・・今戻るね」
その場から去ろうと一歩前に足を出した途端、手を掴まれた。急に腕を引き寄せられニカの胸の中に入ってしまった。俺を抱き寄せたまま腰に回された腕。突然の出来事に頭が回らない。
「え、何・・・?ど、どうしたの。急に抱きしめるなんて・・・」
「抱きしめられるの嫌?」
言葉の代わりに首を横に振り、嫌じゃない。と言わんばかり首を振って伝わせる。それが伝わったのか、ニカは、くすっ。と笑った
「本当、千賀は可愛い反応するもんね」
「何でそんな事言うかな」
"可愛い"て言われるだけで恥ずかしくなる。尚更恋してる人に言われてるんだから、余計熱くなる。胸の高まりも抑えきれない程ドキドキしてる。こんな感情初めてだ。
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作者名:みん | 作成日時:2024年2月1日 14時