番外編2 ページ17
健永視点
微かに感じる手の温もりで目を覚ます。・・・ここ、どこだ?自分の部屋じゃない。白い天井。仕切られたカーテン。左腕には点滴。ここが病室だと分かった。何で病室にいるんだ?それに右手には誰かが握っていてうつ伏せになって顔が見えない。誰なんだ?声を出そうとしても出せない。声を絞り出そうとしても、あっ・・・。あっ。という掠れた声しか出ない。その声に気付いたのか顔を上げて俺の顔を見た途端、涙を流した。
「千賀、分かるか・・・?ニカだよ」
ニカ・・・?多分彼だろう。二階堂高嗣。俺の大好きな人。でも何でニカがここにいるの?何で泣いてるの?俺はどうしてここにいるの?何されてたの?状況が飲み込めず頭の中でぐるぐると混ざって何とかニカに話しかけようと声を出した。
「あっ・・・、あ・・・っ!」
声を少し張ることは出来たものの掠れ声は変わらない。ニカに聞きたいことがたくさんあるのに声が出ないなんて・・・。握られていたニカの手を離し自分の首に手を添えた。
「あ、あっ・・・あー・・・!」
やっぱり声が出ない。手で首を強く押さえても逆に声が詰まってむせてしまい首を絞めていた手をニカがその手を払って首を左右に振った。
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作者名:みん | 作成日時:2024年2月1日 14時