3 ページ12
看護師は一旦病室を後にし数分、戻ってくると注射器を持つ姿。え…それ、何。スケッチブックに「それは何ですか」と書き看護師に見せた。
「これは安定剤です。では左腕に刺しますので深呼吸してください」
深呼吸すると注射された。痛みはないけど少し視界が揺らいだ。何か誰か言ってたな。そうだ、玉森だ。
"俺、貧血になるんだよね。注射の時。だから注射の時は打った後寝かせて貰うんだ"
俺もそうなのかな…。そう考えてると何か察ししたのか看護師に「横になってください」と直ぐ横にならされた。「何かありましたらナースコール鳴らしてくださいね」と病室を出た。ふと見上げるのは白い天井が視界に入り天井に向けて左手を挙げた。俺はここで終わりなの…?いつか完全に声を無くしてそれが悪化し精神もやられるみたいだし最悪、死に至る…。まだ生きていたい。そんな思いが走り、目を瞑るとメンバーのはしゃぐ姿が脳裏に再生された。メンバーに逢いたい。二階堂は来てくれた。けど他のメンバーは来てない。いつ来るんだろう。そう考えながら入眠。
…何か音がした。その音に目を覚ますとそこには看護師が立っていて検温をしその後、朝食が運ばれた。
「千賀さん、おはようございます。こちら朝食です。置いときますね」
言葉が出ない分、頷くことしか出来なかった。
1人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:みん | 作成日時:2024年2月1日 14時