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そこには俺の大好物が食卓に並んでいた。感動してると鼓が「ごはん!ごはん!」と騒いでいてその場に下ろすと一目散に椅子に座りご飯を食べようとしていた。
「鼓、まだだよ」
いつの間にかリビングに来た父さんの姿。あれ?今日に限って眼鏡を着用していなかった。
「父さん、眼鏡は?」
「今日はコンタクト。折角、新が帰ってきたからちゃんと姿を見たいじゃん?ちょっとしたお洒落」
「なるほど。眼鏡してても眼鏡しなくてもかっこいいから」
「本当、誉め上手だな、新は。誰似たの?」
「分からない」
二人して笑ってると鼓が「はやく!」て呼んでいた。背負っていたリュックを下ろし洗面所に行き手洗いうがいをし戻ると家族勢揃いしていた。椅子に座り食事が始まった。話しながら俺の話になった。
「もうすぐ十八歳になるのね、早いわ」
「うん。早めに家を出たから母さん、寂しいんでしょ?」
「そりゃ、そうよ。大学も近場で良かったのに…」
「新の行きたいところにしな、て言ったの太輔じゃん」
「う、うん…。でもこんなにも早く家を出るなんて思ってなかったから」
「寂しい思いさせてごめんなさい」
「大丈夫よ。頻繁にLINEや手紙送っちゃうけど…」
「気にしないで。俺は嬉しいから」
「つづみもおてがみかく!」
「本当?!ありがとうね」
「うん!」
「お兄ちゃん、無理しないでね」
「何かあったら俺に言ってね」
七歳の鼓。そして十歳の紬、十五歳の輝。優しい弟、妹達だ。
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作者名:みん | 作成日時:2024年3月6日 22時