日日草 ページ1
【song by:古川雄大】
六月七日。グループ卒業と退所日が公式にて発表された。ここ一ヶ月程前からSNS上にて公式発表はいつなのか、退所日はいつなのか。と騒いでる呟きを見かけ皆、待たせてごめんね。と心の中で言いようやく伝えられ自分自身、楽になったかな、て。退所日まで二ヶ月ぐらいあるけどそれまでは皆のアイドルとして頑張らないと。そんな思いから今日の仕事が上手くいかないもんだ。ミスばっかり。グループの仕事だったら問題だらけだ。よかった、個人の仕事で。落ち込みながら外に出ると今日に限って快晴。青空をバックに自撮りした。でも自分でも分かるぐらい浮かない顔していた。俺、こんな顔してるんだ。まじまじと見て自分の顔にツッコミたくなる途端、【Give me・・・】の着信音に少しビビった。自分のスマホなのに。画面表示には藤ヶ谷からの着信。
「はい」
「宏光?お疲れ様」
「お疲れ」
「もう仕事終わり?」
「まだ。けど一時間後ぐらいには終わる」
「そうなの?その後空いてる?」
「空いてるけど・・・どうした?」
「今日どこか行こう」
「どこに?」
「んー、皆で食事とか?」
「皆?」
「うん。ちなみに健永と玉は既に俺の横に居る」
電話越しからでも分かるくらい「千賀でーす」「玉森でーす」て言ってるのが聞こえた。後程残りのメンバーも来るらしい。多分俺のお疲れ様会でもしてくれるんだろう。て、つくづく思った。そういうところはきちんとしてる。
「終わったらすぐ向かうから場所教えてくれないか?」
「うん」
「ありがとう。じゃ、俺戻るわ」
「宏光、頑張ってね」
「うん」
通話を切ると即送られてきた店の場所。あれ?こっから近いじゃん。もしかして今日の仕事の場所、把握してたんじゃないのか?すげーな。もう一度、青空を見つめ、自分らしく生きていこう。と誓い現場に戻った。
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作者名:みん | 作成日時:2024年2月1日 11時