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「さっき、宏光に連絡したら千桜ちゃんの場所教えてくれたよ」
「本当ですか！？ありがとうございます。ここから遠いんですか？」
「遠くもなく近くもない」
「何ですか、それは」
思わず吹き出してしまいそれにつられて横尾も笑う。くすくす、と笑って一つ深呼吸した横尾が口を出す。
「明日、行ってみようか。千桜ちゃんは基本、二階堂さんの屋敷から出てないみたい。どうやら安定期になるまで外に出てないみたいだよ」
「悪阻が酷いんですね･･･しんどそう。私、千桜の姿見たら辛くなって泣くかもしれません」
「桃萌･･･」
「大丈夫です、きっと。千桜が心配するので笑顔でお祝いしないと･･･」
「そうだね」
「千桜が禿の時から知っているので余計心配で･･･」
「大丈夫だよ、大丈夫」
きっと千桜の事を誰よりも知っている桃萌は今までなかった心配が出てきて今にも泣きそうだ。横尾はそっと桃萌の身体を引き寄せ落ち着かせように背中を撫でた。すると荒くなっていた息が落ち着きようやく言葉をする。
「横尾様、もう大丈夫です。明日、千桜のとこへ連れてってください」
「分かった。行く途中に子供用の洋服やベビー用品を買ってあげてプレゼントしよう。センスは桃萌に任せたよ」
「分かりました。千桜は桜が好きだったので桜のデザインを買うことにします。男の子でも女の子でも似合うものを。千桜、喜んでくれるといいな」
半年後には子供が産まれているはず。またその時は出産祝いも兼ねて、子供に"はじめまして"と挨拶しよう。きっと千桜の似た可愛い子が産まれると想像すると口元が緩み始めた。
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作者名：みん | 作成日時：2024年2月1日 16時
