2s web アンソロ (ページ5)

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お雛様の前に座ろうとした美思に、手を洗ってきて。と言うと素直に洗面所に行き、ついでに高嗣も洗いに行き二人揃ってリビングに戻ってきた。
「もう、その時期か」
「うん。今回は早めに出したの。母さんに言われてね。そうそう、母さんとお母様に妊娠報告したよ」
「どうだった？」
「二人共喜んでいたよ。母さんについては泣いてたし」
「よっぽど嬉しかったんだろうね」
「美思の時も泣いてたしね」
「あーちゃん、ないてたの？」
「うん」
「なきむしだね」
「違うよ。嬉しくて泣いてたんだよ」
「そっか！」
美思は再びお雛様の前に座り俺の代わりなのか俺の妊娠報告をお雛様に告げてくれた。「いいこにうまれてきますように」て･･･。俺は美思の言葉を聞きお腹に手を添え口には出さないがお腹の子に聞こえるようにこう告げた。

"ねえ、聞こえる？貴方のお姉ちゃんはとても良い子だよ。きっと貴方を愛する立派なおねえちゃんだよ。パパもママも貴方を愛するよ。だから元気に出ておいで"

そう伝えると同時に頬に伝わる涙。あ･･･俺、泣いてるんだ。愛しくて泣いてる、そう思った高嗣と美思が泣いてる俺に気付き高嗣からティッシュを一枚貰い、美思は「ママ、だいじょうぶ･･･？」て心配してくれた。本当･･･いい家族。
「大丈夫だよ」
「健永は休んでて。俺が夕飯作るから」
「昼食も作ってくれたじゃん」
「いいの、気にしないで。美思、手伝ってくれる？」
「うん！」
二人はキッチンへ向かい高嗣が冷蔵庫の中をチェックし「かきたまうどんでいい？」で聞かれ、それでいいよ。と言うと早速準備に取り掛かった。これなら消化によさそう。二人が行動しているのを見つめる。美思は冷蔵庫の横にある椅子を持って「パパ、これでいい？」と聞き椅子を置き登った。