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「ありがとう」
「いえいえ。どこの海行くの?」
「決まってるんじゃない。思い出の場所」
「前、行った場所ね、分かった」
先日行った海へと早速向かった。ここからだとかなり時間がかかる。その間、千賀がスマホでBluetoothを繋ぎ音楽を流し二人して車内熱唱。この時間に運転するのは久しぶりだ。約二十分程経つと一気に静かになり視線を横に向けると穏やかな表情で寝ていた。この時間だと千賀は大体寝るからな。音量を小さくしてこのまま海へと運転を走らせる。岸部に車を置いて千賀を起こす。
「着いたよ」
「ありがとう」
車から降りると千賀は一目散に海へと駆け寄る。「綺麗・・・」と呟いて水面に反射してる欠月を見て涙を溢した。あの時と一緒。頬に伝わる涙がキラリと輝いていた。その涙を拭おうとした時、手が震えそれに気付いた千賀は「大丈夫」と言い自分の手で拭った後、トートバックからあるもの取り出した。何だろう。と思い視線をトートバックの方向を見るとそれは花火だった。千賀は袋から花火を取り出し俺に渡した。
「ニカ、ライター持ってる?」
「あるよ。ほら」
普段はライター持ってないけど今日に限って持っていた。千賀は二つ花火を持ってライターで灯を付けた。
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作者名:みん | 作成日時:2023年11月1日 20時