3 ページ14
「懐かしいな・・・」
アルバムの余韻に浸って何となく外を見るとそこにはあの日見た蒼い欠月が出ていた。千賀も見ているのかな。一緒にまた海行きたいな・・・。なんて思い出を振りかえながらアルバムを捲っていくとアルバムに少し光が差し込み窓の外を見ると欠月が出ていて見つめてると突然スマホが鳴り出し画面には千賀の名前と着信の表示。通話を取ると「久しぶり」と言った。
「どうした?」
「今、欠月見てる?」
「うん」
「俺も見てるんだけどあの頃を思い出せない?」
「思い出したよ。欠月もそうだけど傍にあったアルバムを開いたらあの頃の写真が出てきたよ」
「アルバム?」
「そう。二人で選んだでしょ?」
「あぁ、あれね。茶色のアルバムでしょ?」
「そう。あの頃の写真を見てたら何だか儚い気持ちになった」
「あの頃は俺のせいで儚い気持ちにさせちゃったよね、ごめんね」
千賀の声が震えてる。もう俺達は別れたんだ。千賀は俺より元彼を選んだから。風の噂で元彼とより戻したみたいで幸せな日々を過ごしているらしい。なのに何で着信かけたのかな。不思議に思ってると「ねぇ」と行ってきた。
「どうした?」
「海へ連れてってくれない?」
「は?そんなの彼氏に連れてって貰えばいいじゃん」
「え・・・やだ」
「やだって・・・俺なんかと行ったら彼氏、嫉妬するでしょうが」
「ニカじゃないと嫌なの」
「何それ・・・」
「とにかく連れてって。じゃあね、ばいばい」
一方的に通話を切られ勝手な事に対して千賀にイラつきながらも自宅を出た。車で移動し千賀の家に着いた途端、玄関のドアが開き千賀が出てきて、まるで、ご主人様、待ってました。かのように駆け寄って乗車した。
2人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:みん | 作成日時:2023年11月1日 20時