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今日一日を振り返ってみる。
まず、朝一で有栖川さんに呼ばれた。
高校生が来たっていうのと、それが有栖川晃の息子ということで教室が一時騒然となった。
行ってみたら初田さんの妹さんに
で、君貴さんと会った。
変な人だった。
そこまで考え、玄関の戸を開ける。
そこで違和感に気づいた。
今日は兄も姉も部活。
両親共働きなので、いま家には誰もいないはずだ。
…誰か予定が早まったのかな?
それとも鍵のかけ忘れか?
『…只今』
恐るおそる挨拶をしてみる。
「おお、おかえり!」
知らない男の声が帰ってきた。
いや、どこかで聞いた記憶はある声だ。
でも誰の声か思い出せない。
…不審者?
でも不審者が律義に挨拶を返すか?
しかも不審者の声を覚えてるわけない。
じゃあ誰?
「いつまでそこに固まってるんだ?それとも、久しぶりの再会に言葉も失っちゃったか?」
そういって、男の人が奥から出てきた。
出てきた男の顔を見たとき、身の毛がよだった。
別に普通の顔だ。
でも、体が拒絶ている。
『御前…誰だ』
震える体を抑えて、ようやく一言発する。
「そんな釣れないこと言うなよ。俺の…父親の事を忘れたわけ無いだろ?」
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作者名:暁刹那 | 作成日時:2020年10月17日 12時