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遠い記憶 ページ47

その時、私の頭の中に映像が駆け巡った。

赤いドレスをまとい、王座に座る姫。膝まずく男。そして… 鏡に写った、宇受女。

ナツメの表情も愕然としている。どうやら、同じ映像が流れたみたいだ。でも、これは…

「映像じゃないわ… 妾、これはあんたの記憶ね?」

(ああ。しかし、朱夏の記憶も混ざっておるぞ。あの男は…)

すると、突如砂埃が舞い上がり、二人で目を閉じた。目を開けると、私たちは城の中にいた。さっきの王座がある。

「朱夏、宇受女、なぜ何も言わぬ! すべて忘れたというのか! おお…」

「空亡、まさかお前悲しんでいるのか?」

「ならば思い出させてやろう!」

辺りが光に包まれ、また誰かの記憶が流れ込んでくる。さっきの、膝まずいた男の顔が見えた。ナツメが頭を抱え、地面に膝を着いた。私も頭痛に耐えられず、膝を着いた。

「ううう…」

「くっ…」

「どうだ。さぁ何が見える、朱夏! 宇受女!」

「…!」

私の頭の中には、さっきの男が出てきた。星空のよく見える場所で、私と、いや『宇受女』と話をしていた。

『宇受女殿、ご婚約おめでとうございます。』

『フン、それは貴様とて同じだろう。空天よ』

「くう、てん…? お前は、宇受女の…」

記憶が変わる。空天が、何かを必死に叫びながらも二人の大男に連行されていく姿だ。宇受女はそれを止めようとするが、朱夏に腕を捕まれて動けない。

「あ…」

「…そうか。お前…」

ナツメが立ち上がった。さっきとは違う、凛々しい表情になっている。頭痛が収まったので、私も立ち上がる。

「空亡… 私はあなたを知っている! あなたは、いや、お前は!」

ナツメの顔つきが変わった。瞼が赤くなり頭に二本の角が生える。私も、宇受女を呼び起こした。

私の頭には、一本の角が生え、目元に化粧が出ているだろう。朱夏と共に空間を壊し、外に出た。目の前には、麒麟やオロチに乗るアキノリとケースケ、阿修羅がいた。

「朱夏、宇受女!」

空亡が手を伸ばして来るが、私と朱夏はそれを容易く払う。

「空亡よ。お前に取り込まれたお陰で全て思い出したぞ。汚らわしき裏切りの記憶をな!」

「全て…? 朱夏、お前…」

妾が言い終わる前に、再び辺りは光に包まれる。トウマやアキノリも一緒に、さっきの場所に出た。ここは、朱夏の城。

「当時妖魔界を治めていた妖魔王の娘、朱夏。…わらわに膝まずいているのは、空天。わらわがもっとも信頼する近衛騎士だった男だ。」

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スプラMOMIZI(プロフ) - ポンズイさん» コメントありがとうございます!忙しいためたまにしか更新できませんが頑張ります(^^) (2019年6月27日 7時) (レス) id: e49f68cb2e (このIDを非表示/違反報告)
ポンズイ(プロフ) - この作品を読ませて頂きました!本当に面白いです!!これからも更新頑張って下さい!!更新楽しみです!!(^ν^) (2019年6月25日 19時) (レス) id: 8014d49c6f (このIDを非表示/違反報告)
スプラMOMIZI(プロフ) - 真利奈さん» コメントありがとうございます!フクロウいいですよね…かっこいい… これからもよろしくお願いします(^◇^) (2018年8月10日 8時) (レス) id: 747e2b3768 (このIDを非表示/違反報告)
真利奈 - 私、フクロウが好きなので生きていて良かったです!とても面白い作品なのでこれからも更新するのを頑張って下さい! (2018年8月9日 23時) (レス) id: a3edb60187 (このIDを非表示/違反報告)
スプラMOMIZI(プロフ) - ヒカルさん» ありがとうございます!なんなんでしょうねあの方ねぇ、これからもよろしくお願いします(^∀°) (2018年8月9日 12時) (レス) id: 747e2b3768 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紅ゆずりは | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2018年7月8日 19時

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