忠臣と姫 ページ46
洞潔は私を鬼桜の根元にそっと下ろし、アシュラ豪炎丸を酒呑童子に向けて構えた。
二人は言葉を交わしながら激しく戦っている。私は、黙ってそれを見ていた。空亡がここまで出てきたということは、人間界はかなり危ない状況なのだろう。
(「…逃げなきゃ、どうにかして」)
よろよろと立ち上がり、鬼桜の根本から離れる。二人を見ると、酒呑童子はアシュラ豪炎丸で、洞潔を斬ったところだった。洞潔の中の空亡は出ていったようだった。
「！」
鬼桜は燃え、洞潔は酒呑童子に無礼を詫びていた。
「覚悟が足りぬのは私も同じ。姫、弐の姫と共に必ず妖魔界を。…弐の姫、先程は無礼を働いたことをお詫び申し上げます。酒呑童子様と共に、妖魔界…を。」
「…『洞潔、と言ったな。貴様の忠心、しかと見届けた。妖魔界はともかく、貴様の主は殺さないでおいておこう。』」
(「…出てくんなって、言ったのに！」)
(すまぬ、許せ)
洞潔は、炎の中でも笑顔だった。酒呑童子は背を向け、憎しみのこもった目をした。
「空亡… 貴様だけは許さん！ 弐の姫、その御力を発揮してください。そうすれば、人間界も妖魔界も、我らの…」
「何を言ってるの、私は世界の支配なんかしたくない！ ナツメだってそう言ってる！ なんで私たちをそんなにも狙うの！」
「弐の姫、しかし…」
「嫌だと言ってるでしょ！ 支配なんてしないから！もう私たちに…」
すると、さっき洞潔に入っていた空亡ウイルスが私の方に来て体にまとわり着いた。
「そ、空亡… きゃあ！」
「弐の姫！」
空亡は私をつれたまま、空を飛んだ。本体のところに向かっているようだ。このままだと、取り込まれる！
「やめろ！ 離せ…！」
必死の抵抗もむなしく、私は空亡の本体に吸い込まれるようにして取り込まれた。意識が、途切れるー
「…フクロウ、助けて…」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
目が覚めると、私の横にはナツメが倒れていた。不気味な青い空間にいる。どうやら、ナツメも空亡に取り込まれたようだ。
「ナツメ、大丈夫？」
「う… A？ それに、ここは空亡の中？」
すると、周りの風景が一転し、目の前に大きな城が現れた。
「…朱夏… 覚えているだろう、あの忘れがたき日々を。」
「空亡！ お前、ナツメまで…」
「…ここは？」
「さぁ答えろ朱夏！ 宇受女！ ここで何があったか！」
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スプラMOMIZI(プロフ) - ポンズイさん» コメントありがとうございます！忙しいためたまにしか更新できませんが頑張ります(^^) (2019年6月27日 7時) (
レス) id: e49f68cb2e (このIDを非表示/違反報告)
ポンズイ(プロフ) - この作品を読ませて頂きました！本当に面白いです！！これからも更新頑張って下さい！！更新楽しみです！！（＾ν＾） (2019年6月25日 19時) (レス) id: 8014d49c6f (このIDを非表示/違反報告)
スプラMOMIZI(プロフ) - 真利奈さん» コメントありがとうございます！フクロウいいですよね…かっこいい… これからもよろしくお願いします（＾◇＾） (2018年8月10日 8時) (レス) id: 747e2b3768 (このIDを非表示/違反報告)
真利奈 - 私、フクロウが好きなので生きていて良かったです！とても面白い作品なのでこれからも更新するのを頑張って下さい！ (2018年8月9日 23時) (レス) id: a3edb60187 (このIDを非表示/違反報告)
スプラMOMIZI(プロフ) - ヒカルさん» ありがとうございます！なんなんでしょうねあの方ねぇ、これからもよろしくお願いします(^∀°) (2018年8月9日 12時) (レス) id: 747e2b3768 (このIDを非表示/違反報告)
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