幻 〜シャドウサイドストーリー〜【妖怪ウォッチ シャドウサイド】

不動明王ボーイ ページ28

「…すごい。」

不動明王ボーイの力は圧倒的で、まず女郎蜘蛛の顔面にパンチをかましたかと思ったら、蜘蛛足をつかみぶんぶん振り回して投げる。

不動明王ボーイには、こんなにすごい力があったのか。だけど、なんか様子がおかしい。

「ふあぁ… ん、なんか眠くなってきたな。」

不動明王ボーイは眠たそうにしている。子どもだから、すぐに疲れちゃうのか。外なのにそのまま寝転がり、眠ってしまった。

女郎蜘蛛を倒す術が分からず悩んでいると、後ろから殺気を感じた。酒呑童子だ。

酒呑童子は女郎蜘蛛を睨むと、技を放つ。技は女郎蜘蛛に当たり、女郎蜘蛛はどんどん縮んでいく。すっかり小さくなった女郎蜘蛛は、よろめきながらも突然逃げた。

「ハハハハハ、覚えてなぁー!!!!!!」

「しまった！ 待て！」

私より宇受女が怒っていて、宇受女が私を乗っ取ろうとした瞬間だった。

まずい、宇受女が我を忘れてる！ と思ったら後ろから聞き覚えのある声が聞こえた。

「ミッチージャーンプ！」

「ミッチー!?」

天野ちゃんが驚いて声をあげる。ミッチーは、『ミッチービーム』を放ち、女郎蜘蛛を石にした。

本人曰く、格が高かったり強い敵には効かないらしいが、弱くなった女郎蜘蛛には効くらしかった。石になった女郎蜘蛛を、ミッチーは踏み潰した。

そのお陰で、宇受女も冷静になった。

(…すまぬ。妾としたことが、我を忘れてしまった。)

(「憑依してこなかったからいいよ。次は気を付けて。」)

「…ミッチーがおいしいとこ、持ってっちゃったね。」

「まあ、いいんじゃないか？ これで、アヤメさんも助かる！」

天野ちゃんとアキノリは、嬉しそうに話していた。一件落着かな。

…が、後ろから囁き声が聞こえた。

「…姫、また日を改めてお迎えに参ります。」

「!?」

驚いて振り返ったが、酒呑童子と洞潔の姿は消えていた。

ポケットから顔を出しているフクロウは、不安そうな表情で私を見ていた。

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【妖怪ウォッチFOREVERFRIENDS】あやかし恋ものがたり

夢主と映画FOREVERFRIENDSに登場する妖怪たちとの物語を綴る…というイメージの小説を作りました。よければこちらもご覧ください。

…私は座敷童子くん推しです。

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