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シゲと話したら俄然やる気が出てきて、
丁寧に身支度をして家を出た。
予約のケーキを受け取りに行き、
ふみちゃんと合流して居酒屋の店員さんに
持ち込みのケーキを預ける。
個室居酒屋のしゃぶしゃぶコースを食べて、
サプライズでケーキを出してもらう予定だ。
めちゃくちゃ普通すぎる誕生日会だけれど、
4人を一気に祝うならこれくらい
わいわいっとやるのがちょうどいい気がする。
ふみちゃんと2人で先に個室で待っていると、
1番最初に神ちゃんが来た。
「おっ!ふみもAちゃんも早いな!」
「そりゃ私たちが予約しましたから〜」
「ありがとう!地元帰る前にみんなで遊べて嬉しい!
6人で集まるの久しぶりやし!」
神ちゃんが自然にふみちゃんの横に座るのを見て、
私がおっ!っと思ってしまう。
「そうだね!しかも、しゃぶしゃぶ〜!お肉たくさん食べよ〜!」
「肉もええけど、野菜も食べなあかんよ」
「また神ちゃんお母さんみたいなこと言ってる」
ふみちゃんが柔らかく笑う。
その笑顔がとてもかわいくて、なんだか微笑ましい。
「あれ?そういえば神ちゃんってふみちゃんのこと呼び捨てだったっけ?」
「あぁ、そういえば最近かも!
授業も結構被ってるし、飯行く機会も多いからいつの間にか呼んでたわ」
「なるほどね!ふみちゃんのこと呼び捨てで呼ぶ人めずらしいからなんか不思議」
「たしかに!小瀧はふみみんで、流星はふみみだもんね。どっちも私のキャラじゃないあだ名だけど呼ばれすぎて慣れた」
「俺もふみみんとかふみみって呼んだ方がよかった?」
「それはなんか違うからいい!」
いたずらっぽく笑う神ちゃんに、
ふみちゃんがもう!なんて言いながらむくれている。
ふみちゃんはこうやって神ちゃんと関係を築き上げてきたんだ。
ふみちゃんの想いが報われますように。
2人の会話を聞きながらそう思った。
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作者名:ひろか | 作成日時:2019年10月28日 18時