始まりの合図(4) ページ31
「そこの鬼狩り。」
『！？』
突然現れた気配に
すぐさま刀を抜いて距離を置いた。
誰…！？
だけど…見た目は人間なのに
気配は鬼そのものだ…！
この威圧感はなに？
今までの鬼なんかとは比べものにならない
体が硬直しそうになる。
なんの気配もしなかった。
只者じゃない。
「産屋敷の妹だな？」
『…だったら何？』
「わざわざ争うつもりはない。黙ってきてもらおう」
『生憎私は帰路を急いでいるの。』
「そうか、黒死牟。連れて行け。」
再び背後に突然の気配を感じ
咄嗟に避けたが益々威圧感に
押しつぶされそうで汗が止まらない。
目の前に立つ生き物は
六つの目で不気味に私を見つめている。
…上弦の壱…！？
そうだ、思い出した…
今朝の夢の奴等だ…！
そんな馬鹿な…
まさか正夢になるなんて…
「女よ、着いてこい。」
『さっきも言ったけど、私は帰路を急いでるの…悪いけど、あなた達にはついていく気はない。』
「では手短に済ませよう。」
背広を着た鬼は禍々しい触手のような
ものを露わにすると、目にも止まらぬ速さで
私の首に尖った触手を刺した。
『ぐあ…っ！！！』
「あとは任せる。」
「承知…」
何これ…苦しい…！！
やめて…！行かないで…！
そっちは兄様達の屋敷に着く道…！！
「お前はあのお方から貴重な血を頂いた。今は悶え苦しむであろうが、次期に治まる。それを乗り越えたならば…鬼になれるのだ。」
鬼に…？私が…！？
まさか今の男は…
『…む…ざん…っ！！』
「鬼と化したら、その名を呼ぶことは許されぬ。これはしっかりと覚えておけ。」
嫌だ…鬼になんかなりたくない…
嫌だ…また一族から鬼が出るの…？
嫌だ…絶対にそんな事は許されない…！
「お前は鬼になるまで時間が掛かりそうだ。腕が立つ者ほど、鬼化は時間が掛かる。稀に鬼にならない者もいるがな。」
『鬼に…なん、か…なって…たまるか…！！』
「時既に遅し。血が入ったからにはもう終わりだ。」
助けて…誰か…今の内に、
誰でも良いから私を殺して…！！
実弥さん…
約束守れなくて、ごめんなさい…
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AYA - しのぶさん一回も出てないww (2021年10月10日 16時) (
レス) @page49 id: d9c298088e (このIDを非表示/違反報告)
おぎ丸(プロフ) - ちびごん様≫コメントありがとうございます！ニヤけてもらえて嬉しいです！今後ともお付き合いくださると感激です！ (2020年5月29日 0時) (レス) id: 52f4783003 (このIDを非表示/違反報告)
ちびごん(プロフ) - 初コメさせてもらいます！毎回うわぁぁ！と思ったらニヤけまりして読んでます！ (2020年5月28日 18時) (レス) id: de3300122a (このIDを非表示/違反報告)
おぎ丸(プロフ) - 灰色サーモン様≫嬉しいご感想ありがとうございます！今後ともよろしくお願いします！ (2020年5月19日 4時) (レス) id: 52f4783003 (このIDを非表示/違反報告)
おぎ丸(プロフ) - あおい�桐輸笋△蠅�とうございます！頑張らせていただきます！ (2020年5月19日 4時) (レス) id: 52f4783003 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おぎ丸 | 作成日時：2020年5月18日 7時
