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太輔side:
「まだ上があるんですが、そこへ行きませんか?」
「え? ここが一番上じゃないの?」
「はい。行きましょう」
先輩の手を握りエレベーターに乗る。
エレベーターの中で手を絡めて握り直し恋人つなぎをする。
先輩の手が少しビクンとしたけれど、その後ギュッと握り返してくれた。
握り返してくれたことがうれしくて胸が高鳴る。
ドキドキしているとあっという間に展望台に着いた。
「わぁースゴいね♪」
先輩が繋いでいた手を離しタッタと歩いていき、ガラスに手を付いて外を眺める。
その後に続いて隣に立ち二人で並んで外を見る。
「こっちは遠くまで見渡せるね」
「はい。すっかり暗くなりましたが・・」
「そうだね・・ キレイ・・」
遠くに目を向ける先輩がいつもとは違って見える。
なんだろう?・・ 憂いを含んだ目。
少し不安になり先輩の肩に手を回すと、俺の肩に頭をコツンと落としてきた。
先輩の体温が俺の体に伝わってくる。
とても幸せでずっとこうしていたかった。
ミツside:
今日は朝から藤ヶ谷が何か言いたそうにしていた。
帰りに声を掛けてきたけど、何を言いたいのかよく分からなくてたい焼きに誘った。
たい焼きを食べていると、休みの日に遊びに誘われた。その場では返事が出来なかったけど、もう一度聞かれることはなかった。
でも答えを聞かれなくてほっとしている。だってうんとは言えない。
ニカと別れたばかりなのに虫が良すぎる。それに俺は男だから・・
ベッドへ寝転がりボーっと天井を見つめ、今日会っていたことを思い返す。
藤ヶ谷は俺を女だと思っていて・・
まるで恋人同士みたいに、あんな・・
指を絡めて・・ 胸が・・・ ドキドキする。
ブル・・・
机に置いた携帯が鳴る。
起き上がり携帯を見るとメールがきていた。
!?
藤ヶ谷?・・
その宛名にドキドキしながらメールを開く。
え?・・
happybirthday
北山先輩にとって素敵な一年でありますように
あ・・・ 12時を回っている。俺の誕生日だ。
なんで知ってるの??
メールを見つめる。
ポロポロ・・・
勝手に涙が出てくる。
何か言いたそうにしてたのは?
だから誘ってくれたの?
俺は藤ヶ谷のことが・・・
でも・・・
神様・・・ 胸が苦しいよ・・
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ちゃかぼ(プロフ) - こんばんは!はじめまして、花のOLくらぶ大好きでいつも楽しみに待っています!ニカちゃんにもきちんと思いが伝えられて一安心。また更新楽しみにしています! (2016年11月2日 22時) (レス) id: 0038efa594 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はなび | 作成日時:2016年10月12日 22時