【56】 ページ8
太輔side:
悩んでいるうちに定時になった。金曜日だからかみんな早めに帰って行った。先輩はまだいる。様子を伺っていると机の上を片付けだした。
「先輩」
思い切って声を掛ける。
「ん?」
「あの・・ た・・」
「何?」
「た、た・・」
「た?」
首を傾げ俺を覗き込んでくる。
誕生日と言いたいけど何故か緊張して言葉が続かない。
「た・・」
「た? た・・ たい焼き? たい焼き食べて帰る? ちょうどお腹空いてたんだ♪」
ニコッと笑う。
「は、はい!」
「着替えてくるからエレベーターホールで待っててね」
よかった。たい焼きと勘違いしてくれて。
二人で歩いてたい焼き屋さんへ。長くない道程だけど、先輩と肩を並べて歩けることがうれしい。
お店の前でたい焼きを頬張る。
「藤ヶ谷とたい焼きなんて久しぶり」
「そうですね。ここの食べたかったんです」
「フフ・・」
うれしそうに先輩が笑う。
「あの・・ 先輩・・」
「ん?」
俺を見る黒い目がクルクルと動く。
「明日空いてますか?」
「へ?」
「俺とどこかへ遊びに行きませんか?」
目を真ん丸にする。
「明日?」
「はい」
目を真ん丸にして俺を見たまま固まってしまった。突然過ぎるよな。それに・・
「二階堂先輩がいるからダメですよね・・」
あんなに仲がいいんだ。別れたなんてことやっぱりなかったか。
「えっと・・ ニカとは・・ 別れたんだ・・」
「え?」
本当に??
先輩の口から出てきた言葉にびっくりして、今度は俺が先輩を見たまま動けなくなった。
「で、でも、二階堂先輩と普通にお話してますよね?」
「そうだね・・」
俯いてしまった。俺何聞いてんだ? こんな話したくないに決まってる。
「変なこと聞いてすみません」
「ううん・・」
こちらを向いて笑うけど少し困ったよな顔をしている。
「あの・・ まだ時間大丈夫ですか?」
「うん」
「では付き合ってほしい所があるんですがいいですか?」
「う・・ん?」
首をコテッと傾げて俺を見上げる。
「フフ・・ 行きましょうか」
307人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちゃかぼ(プロフ) - こんばんは!はじめまして、花のOLくらぶ大好きでいつも楽しみに待っています!ニカちゃんにもきちんと思いが伝えられて一安心。また更新楽しみにしています! (2016年11月2日 22時) (レス) id: 0038efa594 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:はなび | 作成日時:2016年10月12日 22時