【62】 ページ14
太輔side:
ぶどう園の中に入ると先輩が声を上げる。
「うわ〜 かわいいね」
え?
スマホを取りだしぶどうに向けて構える。
「先輩?ぶどうがかわいいんですか?」
「色というか形?う〜ん、パッと見てかわいいなって」
自分でも不思議に思ったのか首を捻りながらシャッターを押していく。
「あっそうだ。制限時間があるんだよね?」
あわててスマホをなおす。
「大丈夫ですよ」
ぶどうがかわいいなんて・・ そんなことを言う先輩がかわいい。
「先輩・・」
カシャ
「え??何??」
先輩が驚いてこちらを見る。
「どうせならぶどうだけより先輩もと思ったんですが・・」
「俺とぶどうの写真を撮ったの?」
「はい。私も先輩と一緒に撮ってもいいですか?」
返事を聞かず先輩の隣に立ちスマホを向ける。
「へ??」
「先輩笑顔です」
ニコリと笑うとその瞬間を逃さないようにシャッターを押した。
「ほら先輩、ぶどうがバックに写っててかわいいですよ」
じーっと画面を覗き込む。
「ホントだね。フフフ・・ 俺に送ってくれる?」
写真を送るとそれを見てニコニコとしている。
「先輩との写真はこれで2枚目ですね」
「ん?」
「もっと二人の写真を増やしたいです」
「えっと・・ 後でたくさん撮ろう? 今はぶどうに集中する♪」
そう言って少し照れながら微笑んだ。
昼食にバーベキューをしてその後はアスレチック。
よく食べてよく遊んで二人でずっと笑っていた。楽しい時間はあっという間に過ぎていった。
閉園の時間が近づき草木のある道を出口に向かって歩いていく。両脇にはイチョウの木が黄色く色づいて日の光に透けて眩しい。
「きれいですね」
「うん・・」
隣をチラッと見るとジッと前を見て顔が白くなっている。
「先輩??顔色が悪いですよ?」
「え?そう?」
俺を見て作った笑顔を向ける。
「気分が悪いんじゃないですか?」
「へへ・・ そこで少し休んでもいい?」
道なりにあるベンチを指さす。
「こんなに一日中動き回ることってないから疲れちゃって・・」
そうだ先輩は体が弱かった。気をつけてあげないといけなかったのに・・
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ちゃかぼ(プロフ) - こんばんは!はじめまして、花のOLくらぶ大好きでいつも楽しみに待っています!ニカちゃんにもきちんと思いが伝えられて一安心。また更新楽しみにしています! (2016年11月2日 22時) (レス) id: 0038efa594 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はなび | 作成日時:2016年10月12日 22時