花のOLくらぶ（2）

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太輔side：



休日待ち合わせの駅に向かうと改札の前に北山先輩が立っていた。


以前俺が渡したトレーナーとロングスカートを穿いている。着てきてくれたことが嬉しくて顔が綻ぶ。


｢おはようございます｣


｢おはよ。へへ･･ 着てきちゃった｣


少し照れくさそうに俯く。


｢着てもらえてうれしいです。よく似合ってます｣


スニーカーにリュックを背負っている姿は学生に見える。


この前二人でご飯を食べた帰り、先輩に耳元で好きと呟いてしまった。


そこから進展があった訳ではなく、ぶどう狩りの話で北山先輩と千賀さんが盛り上がり、二階堂先輩と俺が誘われ4人で行くことになった。


｢ニカから急用で来れなくなったって連絡があったんだ｣


｢そうですか･･｣


それから二人で待っているけど千賀さんはなかなか現れない。


｢まだ来ないね｣


｢あれ？千賀からメールがきてる。急用で行けなくなったって･･｣


｢二人とも？？｣


お互い顔を見合わせる。


｢どうしよう？･･｣


｢せっかく出てきたんですがら二人で行きましょう｣


｢えっ？｣


驚いた顔で俺を見上げる。


｢二人で行きましょう｣


｢あの･･｣


戸惑っている先輩の手を握り改札をくぐる。


最近千賀さんは俺の気持ちを知ってか知らずか俺と先輩を二人きりにしようとしているようだ。


そのおかげで今先輩と二人きり。


電車に乗ると窓の外を見て俺と目を合わせてくれない。この前のことを気にしているんだろうか？


電車からバスに乗り換えて目的地に到着した。園内に入ると二人で地図を広げる。


｢広いね〜 ぶどう狩りだけじゃなくて、アスレチック？にバーベキュー、隣にホテルもあるね〜 まずアスレチックに行こうよ｣


目を輝かせながら俺の手を引っ張る。


｢フフ･･ 行きましょう｣


さっきまでの緊張した様子はなく無邪気にはしゃぐ。そんな先輩はとてもかわいい。


｢いや、先に目的のものを済ませてからだよな？｣


｢はい？｣


くるりとぶどう園へ向き直し歩いていく。


｢クスクス･･｣

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