贖罪の羊【twst】 (ページ9)

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羊がはっぴきページ9

Aside

授業が終わり、ひとり廊下を歩いているとあの夜と同じ様に声が聞こえた。監督生君の声と数人の生徒の声、また言い争っていた。

階段なのに、あぶないなぁ。

｢魔法もロクに使えねぇくせに！！｣

一人の生徒が監督生君を押した、僕はぼーっと、その光景を眺めているだけだった。
監督生君は階段から足を滑らせて、そのまま落ちる、その瞬間監督生君と目が合ったような気がした。

助けて。

そう、またあの時みたいに言われている様で嫌だった
監督生君はそのまま、頭を打ったのか気を失っていた。数人の生徒は慌てたように

｢お、おい！早く行くぞ！｣

と言い、急いで逃げる。またオクタヴィネル寮生だ
監督生君に近づき具合を確認する。

ラギ｢何してんスか｣

『ラギー…監督生君、押されて階段から落ちちゃった。気ぃ失ってるだけだから、大丈夫だよ』

ラギ｢ッ、見てたんなら！助けるのが普通でしょう！？アンタは魔法が使えるんですよ？ユウ君は魔法が使えない、ここの生徒に太刀打ち出来ないんス！｣

また、魔法が使えるか使えないか。

『なら、ラギーは僕と監督生君が逆の立場だったら同じ事言えるの？僕は今、体調が悪いから魔法は上手く使えない。どう？』

ラギ｢…言い方は違くとも、同じ事は言いますよ｣

『…約束ね？…嘘ついたら許さないから。Atonement sheep(贖罪の羊)』

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ドンッと、強く肩が押される。階段から足を滑らせてしまい、後ろに倒れる。
グリム君と監督生君と目が合う。

ねぇ、ラギー。約束、破ったら嫌だよ？

頭にくる衝撃を耐えながら、近付いてくる監督生を最後に僕の意識は途切れた。

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『…い゛っ、あー…保健室』

鈍い頭の痛みを感じながら、そう声を漏らす

監｢先輩！怪我の具合はどうですか！？｣

『…大丈夫だよ』

クル｢はぁ…お前は、本当に何を考えてるんだ｣

ワンワン先生は呆れた顔でそう言う。大丈夫、今回は考えあっての事だよ。ねぇ、監督生君、教えてよ。

『ラギー、なんて言ってた？』

監｢え、あぁ……その、助けられなかったのはごめんなさい。咄嗟のことで動けなくて…ラギー先輩は"仕方ないって"言ってくれましたけど…｣

仕方ない…ねぇ。
約束、破ったら嫌だって言ったのに。

『ふふっ、あは』

監｢先輩…？｣

ﾎﾟﾀｯ

『結局みんな』

ﾎﾟﾀｯ、ﾍﾞﾁｬｯ

『嘘つきばっかり！！』

羊は悪夢を見る。