司法に携わる彼らとの日常×2 (ページ7)

今日:33 hit、昨日:36 hit、合計:2,715 hit

｢その結婚、異議あり!｣ページ7

真宵ちゃん
｢Aちゃん!?何でここに、それにはみちゃんまで...｣
唖然とした表情でAとはみちゃんを見つめる真宵ちゃん。今日は真宵ちゃんの結婚式...いや、結婚式『らしい』。
｢真宵様を助けてください!!｣
そうはみちゃんに泣きつかれたのは今日の朝6時のこと。詳しい事情はまだよく飲み込めていないのだが、簡潔に説明すると『真宵ちゃんが次の家元を産むためにどこの馬の骨ともわからない男と結婚をさせられそう』...ということらしい。
どうせいつもの勘違いだろうと思いつつはみちゃんに急かされるまま倉院の里へ着くと本当に婚礼の儀が執り行われていたので、慌ててその結婚を止めに来た。
｢そっか...ありがとうね。はみちゃん、Aちゃん!やっぱり私に結婚なんてまだ早いよね!｣
そう言ってその場に白無垢を脱ぎ捨てる真宵ちゃん。いつもの装束に着替えた後は、三人で鞠突きをして遊ぶ。

茜さん
｢Aさんっ!?もしかして私を助けに___｣
勢いのままに彼女の腕を掴み、その場を走り去るA。
｢最近凄い言い寄ってくる人がいるんですよねー、しつこいったらありゃしない...｣
かりんとうの袋に手を飛ばしながら、日常生活の愚痴を話していた茜さん。何度断ってもプロポーズしてくるらしく、かなり参っているらしい。
｢あーもう!本っ当やんなっちゃう、ただでさえ今は再試験受けるための勉強で忙しいってのに!...第一、好きな人ならもういるっての｣
お茶のおかわりを煎れに行ったAの後ろ姿をちらりと見つめる彼女、その視線にAが気付くことはなかった...
｢大丈夫だった?さっきのがこの前言ってた人?｣
息を切らせながら問いかけるAに｢はい、ありがとうございました...｣と頭を下げる茜さん。
｢...やっぱり、あんな奴よりもAさんのほうが何倍も...｣
その小さな呟きはやはり、Aの耳に届くことはない。