司法に携わる彼らとの日常×2

続き×2(水鏡さん) ページ42

水鏡さん
弓彦くんがAちゃんに好意を抱いていることを知り「私も控えめながら応援させていただきますわ」と言ってしまった水鏡さん。
それからというものの、彼女は毎日どう弓彦のいいところをアピールしようかと考えてはそれをAに実践しようとした。しようとはした。
いざAを前にすると、何故か折角のアイデアを無駄にしてしまう···つまり、声が出なくなってしまうのだ。
何故Aの前で彼のアピールをすることができないのか、彼には応援すると言ってしまったというのに。
「と、言うわけなのです」
かたんと手にしていたコーヒーを机に置いて「どう思われますか?」と美雲ちゃんに相談する彼女。
「どうしたも何も、えっと···」

「それ、恋ですよ」
美雲の言葉に勢いよく立ち上がる彼女。突然のことに驚いたのか、美雲は思い切り肩を揺らした。
「ありえません!私がAさんに、こっ、こ恋などと」
「ありえませんと言われましても···」
「第一っ、弓彦さんがAさんのことを好きだとおっしゃっていたのに、私がそれを邪魔するわけには」
「じゃあAさんが水鏡さんのこと好きだって言ったらどうするんですか?」
彼女の言葉に何も返せず「〜っ、きょっ、今日のところは一旦お開きにしましょう。今日はありがとうございました」とお代を机に置きスタスタと出ていってしまった水鏡さん。それを見ていた美雲ちゃんは「水鏡さんも弓彦さんのこといえませんよねえ」とケーキを食んだ。

続き×3(信楽さん)→←続き(猿代くん)

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す