司法に携わる彼らとの日常×2 (ページ28)

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続き×2 ページ28

｢あ、お疲れ様です｣
...まさか、夢主と鉢合わせるとは思ってもいなかったのだろう。一瞬止まった息をゆっくり吐き戻し｢そっちこそ｣とだけ返す。
何か話題は見つからないか、腕を組んで必死に人差し指を打ち付ける。そうして、彼女の目に止まったのは夢主が頬張っている有名店のケーキだった。
｢...どうしたのそのケーキ｣
｢さっき貰ったんです、最近よく頑張ってるみたいだからって｣
｢そう｣
一体誰から貰ったのかしら?ご褒美程度に買える代物ではなかったはずだけれど。
頭の中で疑問を回しながら、ぼんやりと夢主のケーキを見つめ続ける。
｢...食べます?｣
｢え?｣
｢じっと見てらしたので、食べたいのかなと｣
いつの間にか、冥の目の前には夢主が先程まで使っていたフォークが向けられていた。先端には一口サイズのケーキが刺さっている。
(...間接キ)
頭に考えがよぎった瞬間、真っ赤になって立ち上がる冥。
｢いらないんですか?｣
｢違っ、いっ、いるなっ、いっ...そのっ｣
うだうだとしきりに目を泳がせ、自分の考えを上手くまとめられないのかはくはくと口を動かし続ける。
やがて決心が固まったのか一度、深く深呼吸をしてー
｢ゆっ、夢主。それ｣
｢冥がいらないのならば私がいただこう｣
横入りし、夢主のケーキを頬張る怜侍。
｢...へ｣
｢御剣検事、お疲れ様です。それと、ケーキありがとうございました。美味しかったです｣
｢口に合ったのならばなにより。確かに他の物とは全然違うな｣
和気あいあいと談笑する彼を恨みがましく見つめ、こんな結末は許さないとでも言うかのようにグリップを握り締める彼女。
充分に鞭をしならせてから、彼女は彼に愛用の鞭を向けた。

｢...っ異議あり!｣