希望の幼馴染は塩対応2【BTS】

回想 _テヒョンの恋話4 ページ22

.
.
(JM side)


テヒョナがヌナに告白した日から、ヌナはまるで、自分もナムジャグループに受け入れて貰えたのかもしれない、と思ったのか、どんどん僕たちと心の距離を近づけてくれた。


もちろんテヒョナの告白を、恋愛の告白だとは思っていない。ただ純粋に嬉しかったみたいだ。


僕たちも、そういう意味が込められていたなんて思っていなかった。だって急すぎたし。

でもそこから本当に敬語をやめて、急激にヌナと仲良くなっていったテヒョナ。そしてそれを中心に、僕たち皆もどんどん仲良くなっていった。


僕たち全体の関係性が良くなっていったこともあり、テヒョナの想いとは裏腹に、むしろ姉らしい顔を見せるようになっていったヌナ。


誰かとヌナが話していれば、そこに割り込んで行くテヒョナを見て、もしかしたらこいつ、なんて思ったこともあったけど、その頃には僕たちはお互いのことが大好きだったから、そこまで気にしていなかったし、それが当たり前にもなっていった。


姉のような雰囲気を纏っていくヌナ。
それにヤキモキしながらも、可愛がってくれるのが素直に嬉しくて、どんどん沼にハマっていったとテヒョナは話していた。



TH「Aヌナ、お菓子作ってよ」

「いいよ、何食べたい？」

TH「いひひ、やった！かぼちゃのしっとりクッキー！」

「テヒョン好きだね」

TH「うん、美味しいもん！」

「(にこにこ)」

TH「Aヌナ大好き！」

JM「僕もヌナのこと大好き！」

「ジミナ！」

TH「むっ、入ってくるなよー！」


「んふふ、本当の兄弟みたいだね」

TH/JM「.....」


その言葉が嬉しかったけどむず痒がったような、恥ずかしくてつい黙った僕と、当時は家族感が嬉しくも少し複雑だったテヒョナ。



「嬉しいな」


照れていたのだろう、少し俯いて微笑みながらそういったヌナに、初めて心がきゅっと締め付けられたのは、僕はこの時だったかもしれない。


TH「....」

僕の気持ちやこの状況に相応しくない、変な顔をしてるテヒョナは、黙ったままヌナを見つめて



TH「ヌナーー！(ぎゅうっ)」

「ぐええ」

JM「えええ！」


ヌナを思いっきり抱きしめた。

いくら家族みたいになってきているからと言ってもヌナに！とハラハラする僕と、物理的な衝撃に驚き苦しむヌナと、


TH「俺、みんなも、ヌナも、大好き！(むぎゅう)」


何かを詰め込んだ、でも何だかスッキリした顔のテヒョナ。







この時、テヒョナはきっと。


.

回想 _テヒョンの恋話5→←回想 _テヒョンの恋話3

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す