【MASHLE】マドル家の末娘

３０話　僕と好きな人 ページ38

僕が来たのが意外だったみたいで驚かれた




やっぱりAは一人の方がいい、僕だけがいられる




「僕がいないといつも一人だな」




「今日はたまたま。いつもって訳じゃない」




強がりなのも変わらない




アイツらと入れなくてそんなに寂しいのかよ




「…A、神覚者候補選抜試験、受けるのか？」




「決めてない…カルパッチョは？まあ、それよりも研究だろうけど」




「出るけど」




受けなくていい、むしろ受けるな




どうせあのザコどもは出る気だろうから僕が潰す




その時にAはいなくていい、終わったらまた、僕の隣にいればいい




「…え？」




意外だろうね




「A」




「どうしたの？」




「出るなよ、選抜試験」




「…は？」




「どうゆう事？出るなって…意味わかんない…」




「そのままの意味だよ、なにも分かんないんだろ？」




なにも分からないなら僕のところに来ればいい




「…聞いてたんだ…」




そんな塞ぎ込んだ顔しなくていい




僕だって、Aがあんなザコといなかったら出る気なんて毛頭ない




「なあ、オルカに入れよ。Aの実力なら問題ないだろ？」




オルカに来れば、Aの隣には僕がいられるから




一人になることも、なにも分からなくなることも…僕以外が特別になることもないだろ？




だって僕はAの特別だ




「…私はアドラだから、転寮するつもりはない」




…僕よりあのザコどもが特別か？僕よりあんなザコどもといるのか？




だったら尚更、アイツらは僕が潰す




だからひとまず引いてやる




「…あっそ…僕はもう行くよ」




「うん、久しぶりに会えてよかった。またね」




今の僕の気は知らなくていい




でも終わったら絶対に知らせる




Aは僕の特別で








好きな人だから

３１話　１人と不安定な魔力→←２９話　僕と一人のアイツ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す