【MASHLE】マドル家の末娘

１８話　私とたくさんの友達 ページ21

「そういえばマドルさんって、マドル家の長女だったよね」




寮への帰り道、フィンが突然そんなことを聞いてきた




「まあ、うん。あとフィン、ずっと思ってたけどAでいい」




「え？あ、わかったよ」




「マドル家って上流じゃないですか！でもAちゃん、アドラですよね」





「…性格が…合わなかったんじゃ無い？」




この空気、苦手だ




私は確かにマドル家の人間だし、故に貴族出身




“レアン以外は価値がない”と言わしめる家で、私はレアン以外を願ってた




なのに…やっぱりこの空気は苦手だ




「なるほどな！まあ、いいんじゃねえか？」




「Aちゃんが味方で良かったですな」




「Aちゃんがアドラ寮じゃなかったら友達になるのも難しかったでしょうし！私は嬉しいですよ！」




ううん…いいんだ、これで




高等部に入ってからたくさん友達ができて




“楽しい”って思えることがあって…




「貴族全員がレアンにいる訳じゃ無い。Aの素質でアドラに入ったんからそれでいいだろ」




「…うん、ありがと」




認められた…でいいのかも知れない




それに…少しは、私が私を認められた…かな




だから




「そういえば私も金の級硬貨(コイン)持ってるけど」




「ならお前も狙われるだろうな。Aもできるだけ寮の奴らと行動しろ」




「わかってる…でも、私も強いからね？」




今までより明るくいられる気がする

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