おれじゃ、 ダメですか。更新停止。

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「岳、おまえまた風邪？」



チームメイトに何度も言われた言葉。



「いや、大丈夫」



チームメイトに何度も答えた返事。


調子が上がらないのは事実。
ただ、調子が悪いのを誰かのせいにしたくない。
ましてやそれが、


「Aさんとなんかあった？」


好きな人が関わっていたとしても。



「なんもないよ、ってかなにそれ」
「ん。岳にプレゼント笑」
「俺に？」
「ありがたく受け取りなさい」
「え、ありがと」



プレゼントにしては簡単な包装。
聖真に「早く見てよ」と言われ、封を開ける。



「……なにこれ」
「知り合いに貰ったの」
「もっと大きい物かと思った」
「そう思わせたかっただけー笑」



5センチ程の厚さ、A4サイズの面積。
そんな大きさの箱を渡されたら、誰もがこの箱に応じた中身が入っていると思う。

しかし、入っていたのは紙切れ二枚。



「ディナー？って、あの最近出来たホテルの？」
「そそ。めっちゃ高いらしい」
「え、なんで俺に？」
「Aさんと行ってきなよ」
「……それなら」
「言った？」
「は？」
「好きって言った？」
「………………」
「言ってませんねー」
「でも拒否られたし、もう」
「女って言葉で伝えないとダメでしょ」
「聖真にそんなこと言われても、ね」
「西野カナがよく言ってるからさ」
「あぁ、なるほど笑」
「ドーンとぶつかってから諦めろよ」
「……当たって砕けろって？」
「砕けたら俺が抱き締めてあげる笑」
「それは困るな、笑」







Aさん。

俺は、貴女が世界で一番美しく見えてしまいます。


歳上なのにドジで可愛らしくて、
たまに見せる大人びた仕草も綺麗で、
優しくて、芯がしっかりしてて、
料理も上手で、何事にも一生懸命で。


俺の全てはサッカーです。

そのサッカーが崩れてしまう程、貴女に夢中だ。


引きますか？こんな俺は、理想と違いますか？


俺の生活の一部に、必ずAさんが居ます。



もっと笑顔が見たい。
デートがしたい。
手を繋ぎたい。
抱き締めたい。
キスを、したい。
触れたい、貴女に触れたい。



そう思ってしまう俺を、嫌いにはなりませんか？



もう、弟から卒業したいんです。
だから、貴女も元カレから卒業しませんか？



そして、俺と一緒に、二人で、一緒に、





新しい道、歩んで行きませんか？








「聖真、これで最後にするよ」






ディナーは12月24日。


そんな日に、俺と会ってくれたら、


それだけで幸せと思うのは、いけませんか。

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