おれじゃ、 ダメですか。更新停止。

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俺らしくない。とは、なんだ。
冷静沈着？クール？頑固？負けず嫌い？
当たっているよ、そりゃそうだ。

(けど、俺にだって冷静になれないものくらい)


「Aさん」
『、ぁはい？』
「その、看病してくれるんですか」
『看病という看病なのかな、うん。するよ』


(冷静になれないものくらい、ある)


『ポカリいる？』
「まだ大丈夫です」
『寒い？暑い？』
「少し寒いかもしれない、かな」
『うそっ』


バタバタと走って部屋から出ていくAさん。
なんとも愛くるしい声で『お母さーん柴崎さんがー！』大きな声で大騒ぎ。

(嬉しい気もする。けど、なんか悔しい)

(どうしてこんなに翻弄されるんだ)

惚れた方が負け。とは、今の俺みたいな人間のことを言うのかもしれない。


『っ柴崎さん』
「あ、はい」
『これこれっ、管理人さんから借りてきました』
「ぇ」
『すっごい寒いですか？少し？』
「す、こし、です」
『了解っ』


柔らかい素材のタオルケット。その上に夏用の軽い掛け布団。の上にAさんが持ってきた薄めの毛布を2枚ふわっと重ねた。


『毛布は掛け布団の上に敷くのが良いはず』
「普通は中じゃないですか」
『上に掛ける方が二度ぐらい変わるらしいので』
「温度変わるんですね、初めて知りました」
『柴崎さんより長生きしてるから〜笑』


ほら、こういう顔をされると、冷静さも失う。

(かっわいいな……参る……)

冷めない熱は風邪のせいか、それとも。


『あ、』
「はい？」
『私うるさいですね笑』
「ぃゃ、別にっ」
『そろそろお邪魔します』
「ゃ、あの」
『お大事にね、柴崎さん』


と、ベッドの横で立ち上がろうとするAさんの腕を無意識に掴んでしまったのは、やはり熱のせいか、それとも。


『ぁ、』
「…………行かないで、くだ、さいよ…」
『しばさっ』
「俺、帰れなんて、言ってない」
『しっ柴崎さ』
「まだ…ここに居てください」


気付け、気付け、気付け。

なんて思ってもこの人には通用しないのか。
そもそも、元彼の事を未だに想っているかもしれないのだから、通用するわけが無い。


けど期待してしまうのは、




どこかに自信があるからかもしれない。

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