【第5人格】悪夢を見る者 (ページ20)

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リ「まあ今はジャックという名は私のものですがね。」

『…？何故だ？お前はリッパーだろう？』

リ「まあ…そこは想像に任せますよ。」

そう言って紅茶を飲む

私も釣られるように紅茶を飲み、菓子を食べる

リ「そういえば悪夢の世界ってどういう世界なのですか？」

『…まさに悪夢だよ。言い換えればあそこは地獄さ…。あそこには悪夢の住民が居る。もともと人間だったやつが醜い姿へ変え、世界に迷い込んだ者を殺しにやってくる。』

『そして最後まで逃げてもまた最初に戻される。逃げてはまた降り出しへ…同じことを永遠と繰り返す。所謂無限ループってやつさ。私はそれを何十年と繰り返してきた。悪魔に魅入られた奴は皆そうなる。』

リ「どうやってその世界へ？普通に寝てしまえば、その世界へ行ってしまうのですか？」

『いや…私の場合はブラウン管テレビを通して……。でも最初は確かに…いつも通りに寝て気づいたら悪夢へ……って感じだったな。』

するとリッパーは考え込むようにしてしばらく黙ってしまった

私が疑問に思っているとリッパーは口を開いた

リ「まあ貴方がその悪夢の世界とやらから逃げ出したいと思っているのならば……イドーラかハスターへ相談してみては？神なら何とかなるのではないかと。」

『確かに……夢の魔女と邪神なら…。』

リ「2人は試合が無い日は大抵ハンターの広間に居ますので。ただしイドーラはサバイバーには姿が見えないので信徒ちゃんに頼むしか無さそうですね。」

姿が見えない…か…

それは厄介だなと思いながらも私半ば諦めていた

『ただ…例え夢の魔女や黄衣の王に話したところで何も変わらない気がするな…。』

リ「やってみなければそれはわからないじゃないですか。」

『いや……それはまだ悪魔からの一方的なものであればの話だ……。私の場合は違う…。』

リ「……お互いの同意…。契約してしまったんですね？」

私は困ったような笑みを浮かべながら頷く

リ「しかし何故です？わざわざ悪魔と契約するなんて。」

『………誰でもあんなことを味わえば……悪魔の手でも借りたくなる…。ただこれは誰にも話したくない…。』

リ「そうですか…。おや紅茶が冷めてしまいましたねぇ。」

リッパーは話を終わらせて別のものに気を紛らわせてくれた

気を使わせてしまったな…

そういえばと思いリッパーに声をかける