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夏油の細い目が大きく見開く
私はずっと心の内に隠していたことを話した
夏油が私に好意を持ってると気づいた時すぐに理子の顔が頭に浮かんだ
夏油傑は理子の死の瞬間を目撃してる
呪術師としての在り方に疑問を抱くくらいに衝撃だった出来事
その当事者の姉がクラスメイトだって知って呪霊の味という共通点もあって後ろめたさや罪悪感からくる感情を恋愛感情に勘違いするのは無理もない
夏油「私が……理子ちゃんの代わりとして君を好きだと…?後ろめたさから君のことを大切だと想ってると……本気でそう思うのかい?」
『・・違うの?』
夏油はゆっくりと立ち上がり私の前に立つと覆い被さるようにベンチに手をついた
ベンチに座る私との距離が縮まる
夏油「この気持ちは偽物だと…?」
『そうでしょ?こんな可愛げのない女誰が好きになるの』
自嘲してるわけでもなんでもない。
ただ、私は私という人間が好かれる性格では無いことを知ってるし私も私が好きな訳では無い
夏油「普段冷たくて距離取るのに仲間思いなところが好き」
『は、?』
夏油「情に弱くて意外と流されやすいとこが好き、後輩に頼られると嬉しいけどちょっと緊張することが好き」
『え、なに』
夏油「呪霊が怖いから眼鏡かけてるのにホラー映画みて結局怖がってるところが可愛い、美々子と菜々子にぬいぐるみのプレゼント買って自分の分も買っちゃうところも可愛い」
『おい、待てなんで知ってんだ』
夏油「自分の性格分かってて可愛くなれない愛されないって勘違いしてる所も馬鹿で可愛くて好き」
『〜〜ッッ///!!もういい!やめろ!!』
どんどん近づいてくる夏油の顔に手を押し当て距離をとる
顔が赤くなったのは距離が近づいたからだ、誰だって異性と至近距離になれば顔が赤くなるだろ
夏油「今の顔も可愛い。分かった?私が本気だって?」
『わかった、分かったから』
夏油「返事は?」
こいつ、この状況で返事聞くなよ…うっかりうんとか言ったらどうしてくれんだよ
『あ、明日、明日言うから…』
柄にもなく目を逸らして逃げるように夏油から離れた
多分もう答えは決まってるけど勢いじゃなく落ち着いて伝えたかった
夏油「うん。明日ね」
夏油はきっと答えをもう分かってる
明日になればなんてなんで言ってしまったんだろう
私たちに当たり前の明日が訪れる保証なんてないって知ってたのに
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耳 - 夢主ちゃんかっこいいです( ´ཫ` ) (10月11日 14時) (レス) @page36 id: 73949f7f7f (このIDを非表示/違反報告)
しろりん(プロフ) - 『ダウナー女子の作り方メーカー』は現在は削除されているので…他のメーカーで制作いただいてもいいです…夏油くん…可愛すぎて面白かったです!(◍>ᴗ<◍)💗 ̖́- (8月19日 10時) (レス) id: 2a6843f9ca (このIDを非表示/違反報告)
しろりん(プロフ) - すごく良いお話でした!他の作品に専念しているところ…申し訳ないんですけど『ベリーショートヘアになって眼鏡が無くなった夢主ちゃんのイメ画』が見たいです…気が向いたらでいいのでお願いします…。 (8月19日 10時) (レス) id: 2a6843f9ca (このIDを非表示/違反報告)
麗葉 - 夢主ちゃんかっこいいです!私と付き合っt(((後夏油産それはもうストーカーレベルだよw (6月4日 13時) (レス) @page36 id: 14fd5e9416 (このIDを非表示/違反報告)
ふぐひらめ - ひぁああ…(奇声)こういう夢主、大好物です!必死な夏油も好き……完結、おめでとうございます! (2022年10月24日 22時) (レス) @page36 id: f76242864c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:山茶花 | 作成日時:2021年6月27日 20時