世界から見放された吸血少女は異世界で飼われる3

愛されたい97 ページ7

【グレイ・ツェペシュ】



Aが"鏡の中"に来て一週間が経った



Aはここが鏡の中なのも一週間経っていることも気づいていない




グレ「ところでまだ、悪夢は見るかな？」


『いいえ、ここに来ると見なくなります』


ニコッと笑うA。


よく効いてるみたいだ



"悪夢草"も"錯覚魔法"も




この一週間でAはよく俺に懐いた


声をかければすぐ来るし、俺に対して怯えることも無くなった




グレ「A。首飾り外そうか」


『はい！』



なんの疑いもせずに首飾りを外す、前なら少しは躊躇っただろうな



でも今は俺の言葉になんの疑いも持たない




首飾りを外し保護魔法が解けたAのうなじは魅了的だ、今すぐ噛みつきたいほどに



でも、まだダメだ




吸血鬼が眷属を作るのは主にふたつ



吸血鬼が人間を支配するためと



吸血鬼が吸血鬼を支配するため




前者の理由は簡単だ。食事に困らないため



では、後者は？




これも理由はシンプル




"不死になる"ためだ





吸血鬼は不老不死なんておとぎ話だ。実際は老いるし死ぬ


でも、俺は歳を取らないし死にもしない



何故か？



吸血鬼は人間の血を一定数飲むことて不老になる。だいたい20年くらいだな

俺も20の時に成長が止まった



次に不死



これは吸血鬼の血を飲み続けることで叶う




ならばなぜ吸血鬼は滅んだのか



吸血鬼の血を飲めば不老不死は簡単に叶えられるのに




ここが問題だ




吸血鬼の血はまずい、それはもうまずい



口にするのだってはばかれるほど




Aは純潔を奪えば飲めると思ってるようだがそれは人間がAを手篭めにしたいがためについた嘘だ



実際は吸血鬼の血は飲めない




しかし目の前にいるこいつはどうだ？





極上の味がする人間



なのに吸血鬼の特性を持つ女


俺は昔クソまずい血を飲み続けて不老不死になったからな




あとはこいつに俺の血を飲ませ続けて





永久的な食事の完成だ



眷属にする方法？


それこそ簡単だ



お互いのうなじを噛むだけ


それで契約は交じわう





『グレイさん？』




何も知らず首を傾げる



憐れで可愛い人の子




お前が不死になるまで



愛を囁こう


道化を演じよう



お前の全てが俺の手に落ちるまで

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