◎ ページ25
青行燈と酒呑童子。
私のその言葉に苦虫を噛み潰したかのような顔の隊員や、驚いた顔の隊員。
それぞれが取ったリアクションはそれぞれのものであったが、この場の空気が嫌なものに変わったのは明白である。
悪鬼を相手とする
遥か昔から存在する史上最悪な悪鬼として言い伝えられて来ているために、誰も自分が生きている間にその悪鬼に遭遇するなんて考えたこともなかっただろうし、遭遇したくもなかっただろう。
私の名前は、悪鬼を相手にする
ましてや、今回の対戦で歯が立たなかったと来た。
そんな悪鬼、誰が相手にしたいなんて望むのだろう。
｢情けない話、わっちでは力不足でありんした。黒蝶隊の隊長でもあろう人間がこんな状態では情けのうありんす｣
深々と頭を下げて、今回、酒呑童子と青行燈を逃がしてしまったことを詫びる。
隊長であったならば、きちんとあの場で一発で悪鬼達を仕留めるべきであった。
それが出来なかったのは自分の実力不足であることに変わりはない。
私が実力が足りないばかりに悪鬼に負けているなんて隊員に示しがつかない。
｢ほんに、…ほんに、悔しくて仕方がありんせん。次にあの悪鬼が出たとしても対応できるように日々の鍛練を怠らずに、いつだれもが戦えるような状態にしておくために練習量を少しでもいいから増やして欲しいでありんす｣
｢隊長、わっちらはあの悪鬼を目にして足が震えてしまいんした。故に、隊長だけが責任を負う必要はありんせん｣
隊員から上がった声にそれもそうだけど、と心の中で思う。
確かに私だけが責任を感じる必要はないと思うかもしれないが、これでも背負っているものは大きいのだ。
私が
｢わっちは、力を合わせて悪鬼を倒すことが一番の策だと考えていんす。そのためにこうして会議を設けたのでありんすから、わっち一人でどうにかしようとは思うてありんせんよ｣
私のことを心配してくれた隊員に笑えば、他の隊員も笑ってくれる。
私ひとりでどうにか出来る問題でもないので、隊員全体で力を合わせて悪鬼を倒す他無いのだ。
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ちょこ - この作品好きです！続き楽しみに待ってます！ (2022年3月9日 2時) (
レス) @page40 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
露(プロフ) - すごく好きです…いままでこういう系統の作品や生々しい部分に触れるものは読んでこなかったんですけど、設定や世界観がすごく凝っていて引き込まれてしまいました…！更新、楽しみにしています！ (2022年2月19日 9時) (レス) id: ecc7bc2fb7 (このIDを非表示/違反報告)
鎖座波(プロフ) - 緋鞠さん» 廓言葉褒めて貰えて嬉しいです（；；）本当に有難いです（；；）めちゃめちゃ嬉しいです本当にありがとうございます！ (2020年4月5日 1時) (レス) id: 7dc015f2ad (このIDを非表示/違反報告)
鎖座波(プロフ) - 呉羽さん» コメントありがとうございます。更新頑張ります！本当にありがとうございます！ (2020年4月5日 1時) (レス) id: 7dc015f2ad (このIDを非表示/違反報告)
鎖座波(プロフ) - ルイさん» 世界観に拘ったのでそう言ってくださって凄くうれしいです、ありがとうございます！ (2020年4月5日 1時) (レス) id: 7dc015f2ad (このIDを非表示/違反報告)
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