◎ ページ18
｢やァやァ。
八十を超える悪鬼を引き連れた、先頭に立つ青い角をした女体の悪鬼がやけに間延びした声でそう告げる。
髪色、角の色、瞳の色、服の色。全てが青色であった。
｢どうもこうも。わっちが主ら悪鬼を
刀を向けて、目標を捉える。
正直言って、こんなタイプの鬼は初めて見た。
足が震えてしまう。
その震えは怖さからか。
───否、武者震いである。
｢黒蝶隊全員に告ぐ！直ちに北口へと来なんし！誰一人とて怪我をすることは許しんせん！この場を何としてでも守りなんし！｣
｢あい！｣
私のネックレスが光れば、各場所に居る隊員達に情報が伝わる。
そして、私の隊員達が全員鬼に向かって斬りかかる。
私は青い鬼をまっすぐに捉える。
見たこともないような悪鬼の姿に、如何にもな風格の女体の悪鬼に高揚する。
青い悪鬼に刀の切っ先を向けた。
自然と、柄を持つ手に力が入る。
青い悪鬼は未だ動かない。
その後ろに居る悪鬼が此方へ向かって走って来るのを、私の隊員達が次々と殺して行く。
不穏な空気が立ち込めていたその空気は、一気に白熱したものへと変わる。
柔和な笑みを浮かべたまま立っている青い悪鬼がおもむろに刀を取り出した。
悪鬼が刀を持つ姿なんて見たことが無かった。
悪鬼は武器を持たない。自身の爪や牙で戦闘をする。
｢そちらが刀を持ってるんで、私も刀で戦わせてもらいますねー｣
｢ほぅ…。主ら悪鬼が刀を使ったところで扱い切れんせん｣
悪鬼が刀の柄に手を掛けると同時に、私は勢いよく地を蹴り、間合いを詰めると渾身の力で脇腹目がけて大きく刀で薙ぐ。
キィンッ！
激しい金属同士がぶつかり合う音が響いた。
明らかに違う。今まで戦ってきた悪鬼と全く違うその戦闘スタイルと知能。
何もかもが違う。
速さも、力も、頭の回転も。
｢私を舐めて貰ったら困るんです。私、つよいんですからねー？ねー、お兄ちゃん｣
そう言って青い悪鬼が私から間合いを取り、振り返る。
これまた、見たことの無い悪鬼。
赤い角に、赤い瞳に、赤い服に、赤い髪。
そして、その風格と手に持つ刀。
｢そうそう。俺ら最強の兄妹なんだよ、ってな｣
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ちょこ - この作品好きです！続き楽しみに待ってます！ (2022年3月9日 2時) (
レス) @page40 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
露(プロフ) - すごく好きです…いままでこういう系統の作品や生々しい部分に触れるものは読んでこなかったんですけど、設定や世界観がすごく凝っていて引き込まれてしまいました…！更新、楽しみにしています！ (2022年2月19日 9時) (レス) id: ecc7bc2fb7 (このIDを非表示/違反報告)
鎖座波(プロフ) - 緋鞠さん» 廓言葉褒めて貰えて嬉しいです（；；）本当に有難いです（；；）めちゃめちゃ嬉しいです本当にありがとうございます！ (2020年4月5日 1時) (レス) id: 7dc015f2ad (このIDを非表示/違反報告)
鎖座波(プロフ) - 呉羽さん» コメントありがとうございます。更新頑張ります！本当にありがとうございます！ (2020年4月5日 1時) (レス) id: 7dc015f2ad (このIDを非表示/違反報告)
鎖座波(プロフ) - ルイさん» 世界観に拘ったのでそう言ってくださって凄くうれしいです、ありがとうございます！ (2020年4月5日 1時) (レス) id: 7dc015f2ad (このIDを非表示/違反報告)
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