ぱぱのむすめがいい【桃】

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さとみside

『あっ……ぱ…ぱ？』


走って近づけば、つぐみが擦りむいてるのがわかる


さ「つぐみ……こんなに、怪我して」


『っ……ぱぱ！』


さ「ど、どうした？」


『なんで……


なんでなんもいわないででいなくなっちゃったの？


つぐみ、いらないのこになっちゃったの？


ぱぱ、つぐみのこときらいになっちゃったの？


わかんないよ、つぐみ


こどもだから、わかんないのかもだけど


あさ、いっしょにごはんたべるのも


おさんぽするのも


あそぶのも


だっこしてくれるのも


おはなしするのも


うたうのも


いっしょにねるのも


つぐみは……ぱぱがいいの！


ぱぱじゃないとやなの！


ぱぱのむすめがいいの！』



小さな体からは考えられないような大きな声


初めて、つぐみが強い意思表示をした


そんなことより気になること



さ「つぐみ……パパは、つぐみがいないと嫌だよ


つぐみがいらない子なわけないだろ


パパだって、ずっとつぐみに会いたかった」



『つぐみ……ぱぱが、つぐみのこと、いらないって……いったって……』


さ「それ、誰に聞いた？」


『やまかわさん』


あいつか


やるべきことは決まった


さ「つぐみ、足と手痛いよな、あっち行こうな」


ほぼ1週間ぶりにつぐみを抱っこする


少し、軽くなった気がする


な「さとみくん！」


息を切らしながらこっちに来るなーくん


『あ、なーくん』


な「つーちゃん！……居たんだね、よかったぁ」


さ「なーくん、悪いんだけど、俺の代わりに九条さんに電話してくれ」


な「わかった。つーちゃんは見つかったってことでいいよね？」


さ「うん……あと、山川って秘書もつれてくるよつにいってくれ」


な「？わかった！」




俺の娘がこんな目にあう原因を作った張本人だ




殺されないだけ感謝しろ

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